2021年09月13日

パルダリウム水槽

臨時休館が9月12日(日)で終わり、水族館は本日9月13日(月)から営業を再開しています。

休館中のリニューアル作業の1つで、9月6日(日)のブログ“答えのない石パズル”で苦戦していた石の貼り付け作業がついに終わりました。

レイアウトを1週間練りに練った結果、2ケ所から流れ落ちる滝と多方向に流れる小川、大きな凹凸のある壁が特徴のパルダリウム水槽になりました。

渓流をイメージした小川
水が滴る石壁

石組だけでは物足りないので、ここから植物や小物を足して仕上げていきます。

完成したパルダリウム水槽をお楽しみに!

飼育スタッフ 一見

2021年09月11日

二重回遊水槽の換水

水族館の二重回遊水槽では定期的に水を減らして、換水をしています。

普段は水をかけ流しにしているのですが、水を減らすことで換水の効率が上がり水がよりきれいになります。

水槽内をきれいな状態で保つことで、魚が病気になりにくく健康的に過ごせるので落水はとても大事な作業です。

換水中の二重回遊水槽

 

普段は見られない光景

 

主に休館日にこの作業を行っているので、二重回遊水槽の水が減っているのはお客様がみることができない貴重な光景です。

飼育スタッフ 鷲雄

2021年09月10日

新・水生昆虫コーナー3

新・水生昆虫コーナーの3種類目の紹介です。

 

3種類目はタガメです。

 

ひと昔前はタガメを見つけることも難しくなかったと聞きますが、

田んぼでの農薬使用や水路のコンクリート化、餌となる小型魚類やカエルの減少により、

日本各地でタガメの生息数は激減しています。

 

ここ山梨県でも絶滅危惧1Aに分類され、

その姿を見ることはかなり難しい状況にあります。

 

この水槽は「一年を通して水が枯れることなく、かつきれいな水であり、抽水植物などの水生植物が生い茂る沼地や池」を再現しています。

 

現在は二匹のタガメが展示されていて、雌雄で飼育しています。

 

これから水温が下がっていき冬眠の状態に入りますが、

来年の春以降にこの水槽で繁殖が行えるように、

水槽内の環境を整えていこうと思います。

 

また、9月13日(月)から通常通りに開館することとなりましたので、

開館後に新しくなった水生昆虫コーナーもお楽しみください。

 

飼育スタッフ 山﨑

2021年09月07日

マミズクラゲについて知ろう②

8月31日(火)のブログにてマミズクラゲの「ポリプ」について詳しく紹介しました。

そこで今回はマミズクラゲの「生活史」について紹介していきます。

マミズクラゲ

マミズクラゲは「有性生殖」と「無性生殖」の生活史があります。

有性生殖はメスの卵子とオスの精子が受精して受精卵となり、

「プラヌラ幼生」という形を経てポリプに変態する事を言います。

それに対して無性生殖は、ポリプから「フラスチュール」と呼ばれる自分のクローンを分離し、

それが成長することで元と同じようなポリプになることを言います。

フラスチュールを分離中
フラスチュール

無性生殖で増えたポリプはクローンと同じなので性別が変わらないと言われており、

1つの場所にオスもしくはメスのどちらかしか出現しない事が殆どです。

そのため、自然界で有性生殖から増えるのは珍しいと言われています。

 

無性生殖は条件さえ合えば増え続けるというメリットがありますが、

条件が悪くなると一気に全滅する可能性があるというデメリットもあるので、

水族館では様々な場所からポリプを採集し、

有性生殖をできるような環境を整えています。

飼育スタッフ 西中

2021年09月06日

答えのない石パズル

リニューアル作業のため今日もあちこちで電動ドライバーやノコギリの音が聞こえてくる中、私は石とにらめっこをしています。

作製中の新しい展示に設置する滝と小川がある「パルダリウム水槽」を作っているのですが、そのレイアウトに苦戦しています。

パルダリウム水槽 立ち上げ中

土台に石を貼り付ける際、石の向きや大きさを選んで貼らなくてはいけません。

材料は頑張って拾った石たち

出来るだけ自然な配置になるよう何度も組み直すので、なかなか骨が折れる作業です。

理想のレイアウトを目指して、今日も石パズルに挑みます。

飼育スタッフ 一見

2021年09月03日

新・水生昆虫コーナー2

今回も先週に続き、

新・水生昆虫コーナーの紹介です。

 

2種類目はゲンゴロウです。

現在も山梨県に生息していますが、

生息場所も限られ生息数も少なく、

山梨県の絶滅危惧1Aに指定されています。

 

水槽は「一年を通して水が枯れず、水生植物がたくさん生えている湿地帯」を再現しており、

ここではヒシを植えています

 

ゲンゴロウは陸地で翅を乾かしたり陸地の土中でさなぎの段階を迎えるので、

水中の環境に加えて水際の陸地環境も生息するうえでとても重要です。

 

た産卵はヒシの茎の部分に産むことがあるので、

今後この水槽で産卵を迎えることが出来るように整えていきたいと思います。

 

飼育スタッフ   山﨑

2021年09月02日

休館中の生き物の様子

現在、水族館は山梨県からの要請で9月12日(日)まで休館しています。

休館中でも生き物たちは相変わらず元気に生活しています。

 

こちらのアンボンアオジタトカゲは最近食欲が増えてきて水族館に来た頃よりからだが一回り大きくなったように感じます。

アンボンアオジタトカゲ。最近ちょっと太った

 

エリマキトカゲも展示を開始したころは警戒してエサのコオロギをなかなか食べてくれませんでしたが、最近では展示水槽に慣れてくれてよく食べるようになりました。

エリマキトカゲ。お客さんがいないのでのんびり過ごす。

 

お客様に元気な生き物たちの姿を見てもらえる日が待ち遠しいです。

 

飼育スタッフ 鷲雄

2021年08月31日

マミズクラゲについて知ろう①

当館は2017年9月9日から「マミズクラゲの連続展示国内最長記録」を日々更新し、

今日で1452日(休館日を含む)となりました。

 

今日は、マミズクラゲをもっと詳しく知ってもらうためにマミズクラゲの「ポリプ」について紹介します。

マミズクラゲは遊泳生活を送る「クラゲ世代」と底生生活を送る「ポリプ世代」という2種類の生活様式を持ち、形が大きく異なります。

「ポリプ」という言葉は聞きなれないと思いますが、

クラゲと同じ刺胞動物のイソギンチャクやサンゴ、ヒドラなどをイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。

底生生活を送るポリプの形のままで生きるのがイソギンチャク、ポリプから形を変えて水の中を漂うのがクラゲです。

ポリプ世代
クラゲ世代

マミズクラゲはこのポリプから「クラゲ芽」と呼ばれるものを出し、

それが分離すると皆さんが想像しているクラゲの形になります。

クラゲ芽

また、ポリプはクローンのように1個体で増えること(無性生殖)が出来ます。

 

野生のマミズクラゲのポリプは池や湖、防火水槽の水底にある石や落ち葉、小枝などに付着しているので、

調査や採集に行くときは必ず石や落ち葉などを水族館に持ち帰っています。

今年は採集に行く事がなかなか出来ないので、

水族館にいるポリプを少しずつ増やしていこうと思います。

 

飼育スタッフ 西中

 

2021年08月29日

今日のアカハライモリ⑰

8月8日(日)のブログ“今日のアカハライモリ⑯”で紹介した今年産まれのアカハライモリの幼生は、順調に成長しています。

見た目の変化としては、体がひとまわり大きくなり体色も黒っぽく変化してきました。

今日のアカハライモリ(幼生)

大きくなり摂餌量も増えてきたため、餌をアルテミアから小さく刻んだ冷凍赤虫に切り替えました。

餌を与えれば与えるだけ食べてしまうので、今後は餌のあげ過ぎに気を付けて飼育していきます。

飼育スタッフ 一見

2021年08月28日

ビオトープにカメ脱走防止用のネットを設置した件について

先日、水族館2階ウッドデッキのビオトープにカメの脱走防止用のネットを設置しました。

一見のんびりしていてあまり動かなそうなイメージのあるカメですが、

ちょっとした段差や隙間があると簡単によじ登ってしまいます。

そのため、ネットを高くして登れないようにして、カメが出ていける隙間がないように端まできっちりとネットを立てました。

脱出防止用のネット

 

ここまで厳重にネットを設置すればカメがよじ登っていくこともないでしょう。

のびのびとビオトープで生活していけるように安全対策には注意していきます。

ビオトープで日光浴中のクサガメ

 

水族館 鷲雄