2025年03月13日

タガメのバンザイ

当館の2階で展示している「タガメ」が久しぶりに甲羅干しをしていました。

タガメは日本最大の水生昆虫として知られていますが、ずっと水の中で暮らしているわけではありません。

多くの水生昆虫は定期的に水から上がることで、体に付着した水カビなどの微生物を乾燥させて病気になるのを防いでいると考えられています。

他にも、体が濡れているうちは飛ぶことができないため、飛び立つ前には必ず甲羅干しを行い、綺麗に翅を広げられるようになってから飛び立ちます。

 

まだまだ忍野村には春は訪れそうにありませんが、生き物たちは私たちの気づかないほんのちょっとした変化を敏感に感じ取っているのかもしれません。

 

飼育スタッフ 川野

2025年03月06日

ワカサギ新チャレンジ③

2月24日(月)のブログで「ワカサギ」の受精卵についてご紹介しました。

その後、無事に孵化し、稚魚が生まれてきました。

生まれたてはかなり小さく、体の色は透明です。

初めは自分のお腹にある栄養(卵黄)を使って成長していきます。

数日後には口が開くので、その時にいかに多くの餌を食べる事が出来るかが今後の育成のカギになってきます。

毎日観察を行い、口が開くのを待ちたいと思います。

飼育スタッフ 西中

2025年03月03日

今日のカットはどうしますか?

水族館を入って一番初めの水槽であるエントランス水槽にて展示している「オランダガラシ(クレソン)」が今年も花を咲かせてくれました。

開花部分をよく見てみると、小さな青唐辛子のような実が付いているのも確認できました。

健康に育成しているのは大変喜ばしい事ですが、あまりにも繁茂していたため、全体のバランスを見ながらトリミングを行いました。

私たちの髪の毛と同じく、ひとたび葉や茎を切り落としたのなら、再び成長し立派な葉をつけるまでに時間がかかってしまうため、慎重に行う必要があります。

トリミングは景観を良好に保つだけでなく、隣で育成している植物に栄養を行き渡らせる効果もあるため、今後も定期的な手入れを心がけていきたいです。

 

 

飼育スタッフ 川野

2025年02月28日

満面の笑み

1月2日(水)から1階企画水槽にて、企画展「うわ!騙された!ニセモノ展」を開催しています。

今回はその中から「ヒョウモントカゲモドキ」をご紹介します。

アフガニスタン、パキスタン、インド北西部の岩などが広がる荒野に生息している夜行性のヤモリです。

特徴としては、ヤモリは通常「趾下薄板(しかはくばん)」という壁面へ貼り付くための器官を持っていますが、

ヒョウモントカゲモドキにはそれがないので垂直の壁は登れません。

また、他のヤモリは持っていない「まぶた」を持っています。

瞬きする姿は特に可愛らしいです。

 

普段は流木の下で寝ていることが多いですが、是非この可愛らしい姿を観察してみてください。

 

飼育スタッフ 髙部

2025年02月25日

閉館後の水槽②

飼育スタッフの仕事は来館者の方々がいる昼間だけではなく、

水族館が閉館した後も、大型水槽のお掃除や夜行性の生物に給餌をしたりしています。

作業をしない場所は電気を消すので、夜は開館中では見られない館内の姿を見ることが出来ます。

前回のブログ“閉館後の水槽”でご紹介した2階から撮影した二重回遊水槽を今回は1階から撮影してみました。

奥からの光のみが水槽内を照らしているため、魚と擬木が影になり神秘的な光景が広がっています。

青と黒のコントラストがとても美しい写真を撮ることが出来ました。

またこのような飼育スタッフならではの写真が撮れたらブログでご紹介しますね。

飼育スタッフ 一見

2025年02月24日

ワカサギ新チャレンジ②

2月15日のブログにて「ワカサギ」の人工採卵についてご紹介しました。

今回はその後の様子をお伝えします。

人工採卵した卵は順調に成長し、卵の中に魚の形がはっきりと分かるようになりました。

時々卵の中で動く様子も見る事が出来ます。

目が分かるようになりました

ワカサギの卵は「付着卵」と言って、名前の通り孵化するまで石や藻、水草に付着して流されないようになっています。

そのため、シャーレに卵を付着させて管理を行っています。

しかし、未受精卵や発生の途中で死んでしまった卵などが残っていると、そこからすぐにカビが広がってしまいます。

そのため、小まめにダメな卵を取り除いてカビが生えてないかなどを確認する必要があります。

孵化まであと少しなので、しっかりとお世話をしていきます。

飼育スタッフ 西中

2025年02月21日

オリジナルぬいぐるみ第3弾

当館の人気オリジナルぬいぐるみシリーズの第3弾が今月から販売開始しました。

今回ぬいぐるみのモデルとなったイラストは、2024年度の年間パスポートの表紙として描いた“イトウ”です。

もちもちの触り心地は過去のシリーズと同じで、色は緑を基調とした水彩風のデザインになっています。

本物のイトウと同じく、ぬいぐるみのイトウも口が大きい所がポイントです。

大きさは第1弾のヤマメと、第2弾のチョウザメの丁度中間ぐらいのサイズにしました。

3種類全て揃えたくなるほど魅力的なぬいぐるみシリーズなので、水族館に来館された際は是非お土産コーナーを覗いてみてくださいね。

飼育スタッフ 一見

2025年02月20日

ほんのちょっと模様替え その②

希少な生き物水槽で展示している「アユカケ」に引き続き、今度は「ホトケドジョウ」の水槽のレイアウトをほんの少し変えてみました。

水槽内に3種類の水草を植えたことでより緑が豊かになりました。

Vallisneria spiralis

テープのような平たく長い葉が特徴の「バリスネリア・スピラリス」はアクアリウムの世界でも水槽の後方に植えることが多いです。

Potamogeton oxyphyllus

バリスネリア」よりも少し短く、小ぶりな葉をした「ヤナギモ」は山梨県の川だけでなく日本各地の川や水路。湖沼など様々な水辺で見られ、細長い葉がなびく様子は清涼感に溢れます。

Myriophyllum verticillatum

最後に先の2種とは大きく形が異なるのが「フサモ」です。「ヤナギモ」同様に日本各地の水辺で見られます。大きく開いた葉はよく見ると細い葉が集まっているのが分かります

水草はホトケドジョウのゆりかご

現在、日本に生息する水草は川の環境が大きく変わったことでその数を減らしつつあります。「ホトケドジョウ」を守るには、「水草」を守るということが一番大切なため、今後の調査でも水草の動向は注意していきたいです。飼育スタッフ川野

2025年02月15日

ワカサギ新チャレンジ

河口湖や山中湖などの富士五湖は「ワカサギ釣り」が出来る湖として有名で、

水族館2階の「おいしい水族館」では飼育スタッフが実際に釣りで採集したワカサギを展示しています。

しかし、ワカサギを釣れる時期は冬の限られた間のみなので、1年を通して展示する事が難しいのが悩みでした。

そこで、今年は採集したワカサギの中で成熟した個体を選び「人口採卵」を行いました。

ワカサギの人工採卵はあまり経験がないので、順調に受精卵の発生が進んでくれることを祈るばかりです。

受精卵の様子はまたブログでお知らせします。

飼育スタッフ 西中

2025年02月13日

ちょっと模様替え

希少な生き物水槽で展示している「アユカケ」の水槽のレイアウトをほんの少し変えてみました。

遠目でみると圧倒的石

水槽全体に大きめの石を加えて、起伏を付けてみました。

生息地の川では、身を隠せるような石がゴロゴロと転がっているような場所に生息しているため、野生下に近い行動が観察できることを期待したレイアウトです。

納まりの良さ

最近では石と石の間にすっぽりと入り込む様子や石の上に乗り辺りを伺うような行動を目にすることがあります。

山梨県内では絶滅してしまった生き物のため、今ではこのような行動を山梨の川で見ることができないと考えると寂しい気持ちになります。