2024年02月01日

肺がある魚

現在、水族館1階企画展示水槽では「怪物な生き物展」を開催しています。

今回はその中から4億年前から姿を大きく変えていないとされる古代魚「プロトプテルス・エチオピクス」を紹介します。

この魚は「肺魚(ハイギョ)」の仲間で、浮き袋が進化した原始的な肺を持ち「肺呼吸」をする事で知られています。

呼吸の多くを肺呼吸に依存しているので、空気を吸えなくなると溺れてしまいます

そうならないために、展示水槽では数十分に1回息継ぎをしに水面に上がってきます。

生息地のアフリカでは雨季と乾季があり、乾季に水が完全に干上がっても大丈夫なように、

体表から分泌する物質と周囲の泥を使って全身を覆う繭(まゆ)を作り、水が全く無い状態でも身を守ることができます。

これも呼吸を水に依存していないからこそ出来る技です。

また、肺魚の仲間は食べた物を消化しやすいように咀嚼する珍しい種類です。

餌やりのタイミングと合えばモグモグしながら食べる様子を見る事が出来るかもしれません。

飼育スタッフ西中

2024年01月27日

光り輝く生き物展

現在、水族館2階企画展示コーナーでは「光り輝く生き物展」を開催しています。

光る生き物と言えば昆虫のホタルを思い浮かぶかもしれませんが、

実は魚や両生類、甲殻類にも光る種類がたくさんいます。

目の上が青く光る「アフリカンランプアイ」や

アフリカンランプアイ

体にメタリックな鱗を持つ「ゴールデン・デルモゲニー」、

ゴールデン・デルモゲニー

そして特殊な光(ブラックライト)を当てると発光する「ミナミオカガニ」など、

ミナミオカガニ

生き物によって光り方は多様です。

なぜ彼らの体が光るのか、この機会にその光る理由についても学んでみませんか。

光り輝く生き物展は、1月2日(火)~4月1日(月)まで開催しています。

神秘的に光る生き物たちを是非ご覧ください。

 

飼育スタッフ 一見

2024年01月25日

もうすぐ泳ぎ始めます

昨年11月末に「ヤマトイワナ」の人工採卵を行いましたが、

12月末に孵化してから現在までのところ順調に成長しています。

 

栄養の入ったお腹の袋も小さくなり、

もう少し経過すると自力で泳ぎ始めて餌を食べ始めるようになります。

 

今回の個体は将来「川の魚水槽・源流」で展示に出る予定です。

一年目はまだ体が小さいので、

展示に出るのはおおよそ2年後になるかと思います。

 

初期餌料を食べてくれるかなど心配な点は多々ありますが、

一匹でも多く残せるように管理していきます。

 

飼育スタッフ  山﨑

2024年01月23日

ウナギみたいな両生類

先日、1階企画水槽の前で「魚が逆さまになっている!」という声を聞きました。

魚が逆さまになっているという事は病気だったり、死んでしまっている可能性が考えられます。

すぐさま駆けつけると「フタユビアンヒューマ」がひっくり返っていました。

お腹を上に向けて休んでいる正常で問題ない行動ですが、見慣れていても水槽の前を通るたびにヒヤヒヤします。

 

見た目がウナギにそっくりなので魚と間違えられますが、アンヒューマ科に属する両生類の仲間です。

体に小さな手足が生えているのが特徴で、さらによく見ると指趾の数が2本あるのが分かります。

アンヒューマ科は「フタユビアンヒューマ」以外に2種類いて、

指趾の数が1本なのが「ヒトユビアンヒューマ」、3本なのが「ミツユビアンヒューマ」です。

数で見分ける事が出来るので、よく観察してみて下さい。

 

意外と気性が荒く目の前にあるものは何でも噛みつきます。

先日は水槽の中に入れた網に噛みつき、ぽっかりと穴が開いてしまいました。

つぶらな瞳の可愛らしい生き物ですが、餌を前にするとガッと噛みつくので、そのギャップにいつも驚かされます。

飼育スタッフ 西中

2024年01月22日

カニの意外な餌

 

1月2日(火)より水族館2Fで好評開催中の「光り輝く生き物展」では「ミナミオカガニ」という大きなカニの仲間を展示しています。

 

沖縄などの温暖な地域に生息しており、主に陸上で生活していて何でも食べる雑食性のカニです。

 

そんな雑食のカニに与えている餌は、「ミックスベジタブル」です。

 

なんでも人参が好きらしくお手軽なこともあり、ミックスベジタブルを餌のひとつとして使用しています。

ただ野菜だけだと栄養が偏りかねないので、魚用の配合餌料やトカゲ用の餌など様々なものを与えてみています。

このカニの凄いところは今のところなんでも食べて好き嫌いのないところです。ミナミオカガニの飼育に関する情報が少なかったこともあり様々な餌を与えてみましたが、何でも食べてくれるとってもいいカニなので、飼育スタッフ的にもありがたいです。

 

ただ最近はミックスベジタブルの緑色を残すことが増えてきた気がします。

緑色が苦手なヒトも多いですが、どうやらカニも同じようです。

 

飼育スタッフ 伊藤

2024年01月18日

泳ぐ龍

1月12日のブログにて企画展「怪物な生き物展」の泳ぐ宝石「チャンナ・バルカ」を紹介しました。

今回も同じ企画展の中から「アジアアロワナ」を紹介します。

かっこいい見た目と優雅に泳ぐ姿から観賞魚として人気のある古代魚の仲間です。

また、中国では龍に似ている事から「龍魚」と呼ばれ縁起物として愛好されています。

餌を丸のみにする大きな口や大きなヒレ、スポーンヘッドと呼ばれる頭部から背中にかけての盛り上がりが特徴です。

大きい口に可愛いヒゲ

アロワナの仲間はジャンプ力が凄く、水槽の蓋を開けっ放しにしておくとすぐに飛び出してしまいます。

また、力も強いため、水槽の蓋には重しを何個も乗せて飛び出しの対策をしています。

今は全長が30㎝ほどですが、成長すると60㎝以上になります。

大きく、そして綺麗な体色を目指してこれからも飼育を頑張ります。

ち…近い…

飼育スタッフ 西中

2024年01月15日

お寿司屋さんづくりの工夫①「水槽の木札」

1月2日(火)から2階「おいしい水族館」を一部リニューアルして展示開始しています。

今回のリニューアルで一番の目玉となる「すし処 湧水」では本物のお寿司屋さんの雰囲気を出すための工夫がたくさんあります。

一度では紹介しきれないので、私のブログで数回に分けてご紹介していきます。

 

まず1つ目は展示水槽に生き物の名前やおすすめの調理法を書いた木札を貼って、お寿司屋さんの生け簀のような魚名板を作りました。

雰囲気作りで水槽に木札を貼っています。

 

二ホンウナギの木札。※販売はしていません!

 

この木札を貼ったおかげでよりリアルな雰囲気が出るようになったのかなと思います。

 

お客様にもよく読んでいただいてるようでとても嬉しいです。

今後もブログでお寿司屋さんに見える工夫を紹介していきますのでお楽しみに。

 

飼育スタッフ 鷲雄

 

2024年01月13日

1月のマンスリー水槽

 

年が明けてから早くも2週間が経とうとしています。

水族館周辺は冬が深まったのか年末よりもさらに寒くなりました。

 

 

さて、水族館のエントランスにはマンスリー水槽という展示があります。

1カ月に1回その月に合わせた展示をしている水槽です。

 

今月は新年ということもあり、紅白カラーの生きものを展示に出してみました。

丹頂」という頭の赤色が目立つ品種の金魚です。

タンチョウ」という鶴の仲間に特徴が似ていることが名前の由来だと言われています。

紅白で鶴なんて縁起が良いですね。

頭部の赤色の部分は「肉瘤」というもので皮膚の一部です。大きく発達したものもあればまだ小さい肉瘤など個体や品種により様々です。

肉瘤おっきめ
肉瘤ちっちゃめ

2月のマンスリー水槽も私が担当なのでどんなテーマになるのかお楽しみに。

 

飼育スタッフ 伊藤

2024年01月12日

泳ぐ宝石

皆さんは「怪物」と聞くとどんなイメージがありますか?

自分よりもはるかに大きい生き物、爪や牙が鋭い、怖そうなど様々だと思います。

水族館1階企画水槽ではそんなイメージにぴったりの生き物を集めた企画展「怪物な生き物展」を開催しています。

今日は企画展の中からスネークヘッドの仲間「チャンナ・バルカ」を紹介します。

この生き物は過去展示した中で特にまた見たいと要望があった魚です。

大きな鰭と鮮やかな体色を持ち、スネークヘッドのなかでも特に美しいことから「泳ぐ宝石」とも言われています。

水槽の前を通るとこっちをじっと見てきたり、泳ぎながら付いてくる様子も見られかなり人気があります。

見た目の美しさと人懐っこさから一回見たら忘れられない生き物になる事間違いなしの魚だと思うので、是非ご覧ください。

飼育スタッフ 西中

2024年01月11日

どんこどん!

当館の「川の魚水槽 中流」には「オイカワ」を始めとしたコイ科の仲間や猫のようなヒゲが特徴の「ナマズ」かば焼きでおなじみ「ウナギ」もおり、大型の淡水ハゼ「ドンコ」を飼育しており、水族館の中でもとりわけ多種多様展示水槽です。

しかしながら、先に挙げた後者三種は思いっきり底モノ系水底を中心に生活する魚)かつしっかり夜行性魚のために、水槽の中でまじまじと観察することはなかなか難しく、私もカメラに収めるどころかちゃんと全身を見る事も稀です。

そんな三種を私はひっそり「底モノ三銃士」と呼んでいます。

どうにか写真を撮れないか、せめて泳いでいるところだけでも見たい、と思っていたある日、ようやく底モノ三銃士の一角「ドンコ」の姿をばっちりカメラに収めることができました。

重厚感たるや戦車の如し

撮ってくれと言わんばかりのこの鎮座ぶりには驚きです。

遠目から見るとマスコット

本当のところは、ドンコに関しては全身を見ることはできますが、壁に張り付いていたり体色が石と完全に同化していたり、そもそも遠くて写りが悪かったりなど、なかなか撮影チャンスを掴み切れずにいたのも相まってとても嬉しいです。

 

とはいえまだまだ一匹目ですので、これからも注意深く観察し、底モノ三銃士の全貌を追い続けていこうと思います。

おまけナマズ。なんでそうなった

 

飼育スタッフ川野