藁を束ねて4年
今日は毎週火曜日の休館日という事で、開館日ではなかなか出来ない展示の“カヤネズミ水槽”に入っている藁束を新しいものと交換する作業をします。
カヤネズミは藁を裂いて巣をつくるので、数ヶ月経つと巣材として入れている藁の束が崩れてボロボロになります。
実はこの藁束、展示側から見やすいところに巣を作ってもらえるよう中心を丸いドーム状に束ねる工夫がしてあるのをご存知でしょうか。
カヤネズミが裂いても崩れにくくするために何度も改良を重ねて今の形に落ち着きました。
作製に少し手間がかかりますが、カヤネズミのための快適な環境をめざして毎回作り変えています。
飼育スタッフ 一見
【もっと知りたい!】チョウザメのはなし④~ミズウミチョウザメ編~
前回のブログ(11月30日投稿)に引き続き、当館で展示しているチョウザメをご紹介します。
今回ご紹介するのは「ミズウミチョウザメ」です。
原産地は北アメリカの河川や湖で、多くのチョウザメの仲間は海と川を行き来して生活していますが、本種は唯一淡水域のみで一生を過ごします。
同じ横見水槽に展示している「ベステルチョウザメ」ととてもよく似ているので見分けるのが難しいですが、
ベステルチョウザメと比べると鼻先が上反り返っていなくて体がスリムなのが特徴です。
チョウザメの仲間は長寿な種類が多いですが特にミズウミチョウザメは長生きする種類と言われていて、メスは150年近く生きることもあるそうです。
これからも長生きできるように頑張って飼育を行っていきます。
飼育スタッフ 鷲雄
水族館の魚見分け方講座③
11月20日(水)のブログにて川の魚水槽源流に展示している「ヤマメ」と「アマゴ」の見分け方をご紹介しました。
今回から数回に分けて「川の魚水槽中流」に展示している魚たちを紹介していきます。
今日紹介する魚は「オイカワ」と「ウグイ」です。
まず、この2種類が生息している中流域は、前回紹介した上流域よりも川を下った場所で、水流がかなり緩やかになります。
上流域と比べると水温が高いので、コイの仲間たちが多く見られるようになります。
オイカワは臀(しり)ビレが大きく伸びているのが特徴です。
体色は銀色ですが、オスは繁殖期になるとピンク色と青色の婚姻色が体に現れます。
とても体色が美しくなる事から「川の宝石」とも呼ばれています。
ウグイは全国的に分布が確認されていて、日本の中流域を代表する魚の一種です。
オイカワと比べると顔が細長く、臀ビレもそこまで大きくないので、見分けられるかと思います。
体色はオイカワと同じような銀色で黒い縦縞が入っています。
繁殖期になるとオスとメスともに赤色と黒色の婚姻色が現れます。
この2種類は婚姻色がとても綺麗なので、是非体色に注目していただければと思います。
飼育スタッフ 西中
驚異の10倍
水族館1階の「川の魚水槽」は、壁一面の大きな水槽を仕切りで三段に分けており、上から「源流」「上流」「中流」と山梨県の河川環境をイメージした展示です。
その川の魚水槽の「上流」では、先日展示個体の変更を行いました。
展示生物は以前までと変わらず「ヤマメ」と「アマゴ」の二種類ではありますが、
今年産まれの若い個体に変わり、展示匹数も以前の15匹から約150匹と10倍に増えました。
これだけ増えると魚群のように見え圧巻の光景です。
ただ、数が増えると給餌や掃除などの管理も大変になってくるので、今まで以上に頑張る必要がありそうです。
※展示生物の状態により展示を変更することがあります。
飼育スタッフ 伊藤
大型リニューアル~完成予定図編~
来年度の4月に、水族館1階のスロープ横部分のエリアが大型リニューアルします。
今回のブログでは、その完成予定図を一足先にご紹介します。
展示エリアの名前は“里地里山水槽”です。
川の始まりである源流域から里を流れる用水路までを再現したジオラマ型の展示になっており、
生き物が隣の水槽へ自由に行き来できるようなレイアウトを考えています。
このリニューアルで初めて携わる作業が沢山あるので、イメージ通りに作れるかドキドキしています。
これから定期的に作製風景をブログでご紹介しますので、里地里山水槽の完成をお楽しみに!
飼育スタッフ 一見
【もっと知りたい!】チョウザメのはなし③~シロチョウザメ編~
前回のブログ(11月21日)に引き続き、当館で展示しているチョウザメをご紹介していきます。
今回紹介するのは「シロチョウザメ」です。
生息地は北アメリカの沿岸部で、多くのチョウザメの仲間と同じように海と河川の両方を行き来することが出来ます。
顔は丸く、つぶらな目が可愛らしいのが特徴です。
シロチョウザメはチョウザメの中でもかなり大きくなる種類で、野生下では6mを越えるものも確認されています。
横見水槽で展示している一番大きなもので約1.8mありますのでもっと大きく成長させて本来の大きさに近いシロチョウザメをお客様に見ていただきたいなと思っています。
また、シロチョウザメのキャビアは他の種類と比べて粒が大きく100g約5万円で販売されており、
キャビアの中でも最高峰と言われています。
一度は食べてみたいものです。
飼育スタッフ 鷲雄
休館日の出来事
水族館1階「岸辺の魚水槽」では定期的に水を減らして、掃除を行っています。
作業は休館日や閉館後に行っているので、お客様が見る事はあまりない貴重な光景だと思います。
この日も普段と同じように掃除を行い、新しい水を入れている最中でした。
順調に水が溜まっていることを確認しようと水槽を見に行くと、
「クサガメ」が首と手脚を伸ばして気持ち良さそうにしていました。
普段は桟橋の近くにいてお客様にも気づかれないことが多いですが、この日はかなり近くまで寄ってきていて、
思わず色んな角度から写真を撮ってしまいました。
毎日行う作業ではないからこそ、見ることができた行動だと思います。
今後も生き物の面白い行動や可愛い行動などが撮影出来たらご紹介します。
飼育スタッフ 髙部
バックヤードツアー再開のお知らせ
バックヤードの屋根の工事のため中止していたイベント「バックヤードツアー」ですが、
工事が終わったので約3か月ぶりに再開しました。
このイベントは、飼育スタッフから生き物や施設の解説を聞きながら水族館の裏側を探検する事が出来ます。
飼育スタッフによって解説の内容が変わったり、季節によってバックヤードにいる生き物が変わったりするため、何回参加しても楽しめる内容になっています。
なお、開催時間は毎週土、日曜日の11:30~と14:30~で、各回先着10名様です。
ご希望の方は1階受付にてお申込み下さい。
飼育スタッフ 西中
越えて 越えて 越えて
忍野村はここ数日で一気に冷え込みがましました。
寒くなったことで水族館の生き物たちもだいぶ動きが鈍くなってきたように感じます。
日も短くなり、夕方はあっという間に暗くなってしまうので屋外での作業が大変なことこの上ないのですが、決して悪いことだけではありません。
開館作業の時には朝日が水族館を照らしてくれることで、ところどころに虹ができます。
日の長い春から初秋頃だと、開館作業の頃には太陽がもっと上っているため、なかなか見る事のできない寒い時期だけの特別な 現象と言えます。
虹だけでなく、開館直後だと二重回遊水槽や横見水槽にたくさんの光が差し込むため、とても綺麗な写真が撮れると思いますのでおすすめです。
飼育スタッフ 川野
絵を描く飼育スタッフ その15
最近、館内のスタンプカード用スタンプを新しくするために水族館で展示している生き物のイラストをたくさん描いています。
生き物の種類は、チョウザメ、イトウ、ミナミメダカ、アカハライモリ、マミズクラゲの合計5種類です。
今回のイラストは、生き物の特徴を最低限にしてシンプルなデザインで描く必要があります。
シンプルに描きすぎると何の生き物か分からなくなってしまい、
描き込みすぎるとスタンプで押した時に見えなくなってしまうので意外と苦戦するイラストでした。
完成したものは改めてブログでご紹介しますのでお楽しみに!
飼育スタッフ 一見