2024年03月26日

瞳が輝く魚

1月2日から水族館2階企画展示コーナーで開催中の「光り輝く生き物展」も、残るところあと半月となりました。

今回は、その中でも特に人気のある魚“アフリカンランプアイ”をご紹介します。

アフリカンランプアイ

アフリカンランプアイは、ナイジェリアやカメルーンなどの西アフリカに分布しているメダカの仲間で、

目の上のウロコが光の反射で青く光って見えるのが特徴です。

なぜ光らせる必要があるのかは調べてみても分かりませんでしたが、

群れを成して泳ぐ際の合図や目印になっているのかなと個人的に思いました。

アフリカンランプアイが見られる「光り輝く生き物展」は、4月15日(月)まで開催しています。

蛍光ブルーに輝く瞳を持つアフリカンランプアイが群れを成して泳いでいる幻想的な姿を是非ご覧ください。

飼育スタッフ 一見

2024年03月22日

マ サ カ サ カ サ マ

先日、水族館のバックヤードで飼育している「クレイジーフィッシュ」という魚が卵を産んでおりました。

水族館やペットショップでもあまり見かけないこの魚ですが、日本国内でも私の知る限り1つしか繁殖例の情報がなく、比較的珍しい事例なのではないかと思いますのでご紹介します。

背泳ぎの達人(達魚?) 

まず初めに、この魚はインドネシア周辺の淡水・海水の両方を行き来する魚で、ハゼの仲間に分類されます。

クレイジー(狂った)」と呼ばれる所以としては、いつでもどこでも「逆さま」になって泳いでいるからとされています。

これは、水草や水中に沈んだ木・枝にピタリと張り付き、餌とする生物をジッと待ち構えて捕食する生態のためだと考えられます。

 

仔魚(赤ちゃん)の頃はどのような姿かというと、

孵化後2日 黒い丸は卵黄だろうか

全長は3mm前後の非常に細い体型をしており、開口は確認できませんでした。

 

それではここからが本題です。いつも逆さまのこの魚、果たしていつから逆さまに泳ぎ始めると思いますか。

指先くらいの大きさからか、親と同じ姿カタチになってからなのか、皆さんの予想はいつ頃でしょうか。

雨のように降ってくる

なんと生まれてすぐから逆さまでした。本当に生き物は「不思議」に満ち溢れています。

頭の方が重いためか、逆さまになってスーッと緩やかに沈んでいくかと思えば、急に全速力で浮上し始めるものですから、

時間を忘れて一日中観察していられます。

 

残念ながら、生まれてきた仔魚の口に合う餌や「水の環境」を見つけられず、大きくすることは叶いませんでした。

悔しい気持ちでいっぱいですが、得られた経験と反省点をじっくり整理し、またの機会に活かしていきたいと思います。

 

飼育スタッフ 川野

2024年03月15日

展示デビュー

 

水族館1Fに展示中の「アメリカザリガニ」は真っ赤な体が特徴です。

そんなアメリカザリガニですが先日展示個体の交換を行いました。

 

というのも以前まで展示に出ていたザリガニが大きくなりパワーが強くなった結果、水槽のレイアウトを壊し始めてしまったからです。

 

 

代わりに移動してきたザリガニは昨年産まれた子ザリガニたち。

以前までのザリガニと比べて体色は特徴的な赤色ではありません。

 

これから餌をたくさん食べ、脱皮して成長することで赤くなることがあるそうです。

これから春になり、気温も上がってくるとザリガニたちも活発になってどんどん成長していきます。

子ザリガニが大きくなるのをそっと見守っていただけたら幸いです。

 

飼育スタッフ 伊藤

2024年03月09日

緑を育む

2月もあっという間に過ぎ去り早くも3月になりました。今年は暖冬のせいか例年よりも雪が多いと聞きますが、どうなのでしょうか。

初めは降り積もる雪が新鮮で雪かきも楽しかったのですが、こうもたくさん降ってこられると雪かきどころか雪までもが嫌になってしまいそうです。

 

さて、今回ご紹介するのは当館で展示している「ホトケドジョウ水槽」のレイアウトの話です

水族館に入ってすぐにあるよ

この水槽は、ホトケドジョウが好んで生息する流れの緩やかな「水路」をイメージして植物を多く取り入れたことで、緑豊かな明るい雰囲気を演出しています。

春の七草なのに夏になると猛烈に茂る「セリ」

その分、トリミング(剪定)する箇所や頻度も多く、管理が難しいなと感じる場面があります。特に水中に生えている「バリスネリア」という水草は、少しでもトリミングを怠ると、細長い葉っぱに茶色のコケが付いてしまい、光合成ができずに大きく育たないということがありました。

似た種類の「セキショウモ」なら聞いたことあるかも?

 

現在は株を入れ替えていますので、爽やかな緑色が美しい水槽になったと思います。

 

ちなみに新しいバリスネリアの間にはホトケドジョウ達が集まり隠れ家にしているようで、おそらく自然界でもこういった水草や川岸の植物が彼らの「ゆりかご」になっていると考えられます。

希少なホトケドジョウを守るために、ただ増やすだけでなく、住みやすい環境づくりにも取り組んでいきたいと思います。

 

 

飼育スタッフ 川野

2024年02月26日

お寿司屋さんづくりの工夫④「瓦屋根」

前回のブログに引き続き、「すし処 湧水」の雰囲気作りの工夫についてご紹介します。

今回注目するのは「瓦屋根」です。

 

お寿司屋さんの店先の再現という事で「瓦屋根だったら雰囲気があるんじゃないか」という意見がスタッフから上がり、

瓦屋根を作製することにしました。

 

本物の瓦を使ってしまうととても重いので、代わりに金属製の薄い瓦を使用しています。

瓦屋根は飼育スタッフが屋根に登って取り付けました。

 

 

まさか、飼育スタッフの仕事をしていて瓦屋根を作ることになるとは思ってもみませんでした。

しかし、この瓦屋根のおかげで展示エリアを遠くから見てもお寿司屋さんだとすぐにわかるようになり、製作して良かったなと思います。

 

「すし処 湧水」を見る際はこの瓦屋根にもぜひ注目してみてください。

 

飼育スタッフ 鷲雄

2024年02月19日

コブがある魚

水族館1階企画水槽では「怪物な生き物展」を開催中です。

今回はこの企画展の中でも特に人気がある「フラワーホーン」をご紹介します。

この魚は「フラミンゴシクリッド」と「トリマキュラータム」という2種類の熱帯魚を掛け合わせて人工的に作り出された品種です。

怖そうな見た目をしていますが、人懐っこい魚で水槽の前に立つと近寄ってきたり

指をかざすと追いかける仕草を見せてくれます。

土曜日に行っているイベント「バックヤードツアー」では、

ラワーホーンを水槽の上から観察する事も出来ますので、興味がある方は参加してみて下さい。

飼育スタッフ 西中

2024年02月16日

春擬き

ここ数日、どこか春らしい暖かい日々が続いているためか、エントランス水槽の「クレソン」が白く小さな可愛らしい花を咲かせていました。

小指の爪ほどの大きさ

最近は花だけでなく、根茎や葉の成長も目覚ましく、爽やかな緑色が水槽内を彩っています。

通常、クレソンは4月~5月の春先に開花する植物ですが、屋内展示であることと最近の暖冬の影響で春と勘違いしたのかもしれません。

まだまだ咲きそう

もう少し暖かくなり、陽の光をたっぷり浴びればさらに見ごたえのある水槽になるのではないかと期待しています。

 

飼育スタッフ 川野

2024年02月15日

バスをのぞく時バスもまたこちらをのぞいているのだ

 

水族館1Fに展示中の「コクチバス」という魚、

似た魚の「オオクチバス」とまとめて「ブラックバス」と総称されている魚です。

ブラックバスといえば「特定外来生物」で有名な魚です。

そんな特定外来生物は条例により生きたままの移動が出来ず、県の許可がないと飼育することができない魚でもあります。

 

そんな「コクチバス」を飼育してみると、すごく私たちのことを見ているのが観察できます。

また比較的警戒心が強いように感じられ、気が向かないと餌を食べてくれません。

自分の体の半分くらいのワカサギは食べちゃいます

 

よくブラックバス釣りで言われるのが「見えバスは釣れない」というものがあり、池や湖などで私たちから見えているブラックバスは、ブラックバスもこちらを見ているので、ルアーなどがばれてしまい釣りあげることは難しいとされています。

 

深みの魚水槽では「オオクチバス」を展示しているのでぜひ観察してみて下さい、魚もこちらを観察しているのが分かるかもしれません

 

飼育スタッフ 伊藤

2024年02月13日

絵を描く飼育スタッフ その12

久しぶりに水彩イラストのお仕事がありましたので経過をお伝えします。

現在、館内で多くのお客様が手に取る“あるもの”に使うためのイラストを描いています。

この水族館を色々な方に知ってもらうための重要なイラストでもあるので、

水族館を代表する生き物をぎゅっと詰め込んだデザインにしてみました。

普段POPなどで描いているデジタルイラストとは違い、

水彩イラストは塗り直しが出来ないので気を引き締めて着色していきます。

完成したイラストは、また後日ブログにてご紹介するのでお楽しみに!

飼育スタッフ 一見

2024年02月12日

お寿司屋さんづくりの工夫③「のれん」

前回のブログに引き続き、

リニューアルしたおいしい水族館「すし屋 湧水」の雰囲気作りの工夫を紹介します。

 

今回注目するのは「のれん」です。

デザイン会議の際に、看板と同じくのれんもあった方が雰囲気が出るとの意見があり、のれんも作製することになりました。

 

のれんの色合いや文字の配置など、スタッフの間でいろんな意見を出し合って決めていきました。

特に中央のマークは飼育スタッフが当館のシンボルマークを和風アレンジして手書きでデザインしました。

「すし屋 湧水」ののれん

水族館のマークを和風アレンジ。かっこいい…

店名もしっかり入ってます。

 

お寿司屋さんの雰囲気がある良いのれんができましたので、ぜひ注目してみてください。

また、のれんをくぐるとまるでお寿司屋さんの店先に来たような気分になるので、ぜひ試してみてください。

 

飼育スタッフ 鷲雄