2024年06月18日

突然のリス

水族館の周りは自然が豊かなので、様々な野生動物に出会う事が出来ます。

先日の朝も、いつも通り開館作業で外池の周りを歩いている時に、

ふと横を見ると何やら動いているものを発見しました。

く見てみると、尻尾が長く目がクリッとしていてとても可愛い「ニホンリス」でした。

すかさず携帯で撮影すると、走ったり木に登ってエサを食べたりと、様々な行動を観察する事が出来ました。

動画を撮影しながらだと限界が…

ここにカメラがあれば良かったのに。と少し後悔しながら、作業の続きに戻りました。

 

これからはここぞという場面に遭遇したらすぐに写真が撮れるように、

開館作業の時はカメラを持ち歩こうかなと思います。

 

この時期ならではの風景や生き物に出会ったらブログで紹介します。

飼育スタッフ 西中

2024年06月14日

ホトケドジョウの繁殖調査だっ!

当館では毎年山梨県内の「ホトケドジョウの生息調査を行っております。

 

ホトケドジョウは近年全国的に行われている河川改修の影響により、隠れ家となる植物が生えづらい環境となったことでその数を減らし、全国各地で絶滅危惧種に指定されています。

年々生息地が減っていく中、今年も繁殖しているかを確認するのが調査の目的です

草むらをガサガサ。この瞬間が一番ワクワク

川岸に生えている植物の間に網を入れてガサガサしてみると、すぐにホトケドジョウが捕れました

やせいの ホトケドジョウが あらわれた

当館で飼育している個体よりも幾分か体色が暗く、どこか野性味のあるたくましさを感じました、

ほっと一息

それだけでなく、数は少ないですが0.5~2cm前後のホトケドジョウの稚魚も確認でき、今年も無事に繁殖していることが分かり一安心しました。

1mくらいのアオダイショウも

 

他にもオイカワやアブラハヤ、ドジョウなどの魚、ヤゴ、流水性のゲンゴロウの仲間なども確認できました。

ホトケドジョウ含め、多種多様な生き物が暮らせる豊かな環境をこれからも調査し守っていきたいと思います。

 

 

飼育スタッフ 川野

2024年06月11日

草履?エビ??

4月17日(水)から特別展「エビガニ合戦~ときどきヤドカリ~」を開催しています。

今回は、その中で個人的に特に気になっている「ゾウリエビ」をご紹介します。

 

ゾウリエビは房総半島~九州の大平洋岸、南西諸島、台湾の浅い岩礁帯やサンゴ礁帯に生息しています。

平べったい形に体色が茶褐色、草履に似ていることから「ゾウリエビ」と呼ばれるようになったと言われています。

このゾウリエビはセミエビ科というグループに属しているのですが、実はこの仲間には他のエビとは異なる面白い特徴があります。

 

それは、エビ特有の長い触角を持っていないことです。

体の前方中央に切れ込みがあり、この平たい部分が他のエビ類でいう長い触角にあたります。

 

日中はジッとしている事が多いですが、給餌のタイミングでは活発になって一生懸命食べてくれます。

引き続き元気な状態でいられるように飼育を続けていきます。

 

飼育スタッフ 髙部

2024年06月06日

6月のマンスリー水槽

 

水族館のエントランスにはマンスリー水槽という展示があり、1カ月に1回その月のテーマに合わせた展示をしている水槽です。6月は今の時期によく見ることができるカエルの展示をしています。

シュレーゲルアオガエル」というカエルの仲間で、

今の時期は産卵のために田んぼなどで見かけることが多いカエルです。

今回の展示ではカエルの展示と合わせて生態展示ということで、田んぼの一画をイメージした展示を作ってみました。

稲も植えてみました。

 

さらにタイミングよく産卵したこともあり、期間限定卵塊の展示も合わせてしています。

運が良ければ求愛のために鳴き声が聞こえてくるかもです。

 

飼育スタッフ 伊藤

2024年06月04日

ゲンゴロウ保育園だより その1

最近のブログで紹介していた「ホトケドジョウ」の他にも、実はバックヤードで飼育している希少生物「ゲンゴロウ」も繁殖シーズンを迎えています。

ゲンゴロウ成虫の包接

とは言うものの、まだ卵の状態でフ化しておらず幼虫のお披露目はもう少し先になりそうです。

その卵の形があまりにも不思議で、ぱっと見だと「なんで水槽にタイ米が落ちてるんだ?」と錯覚してしまいました。

圧倒的タイ米

このような細長い形状なのは、自然下では植物の茎の中に産卵するのですが、その茎に入りやすいようにするためだと考えられています。

今回の繁殖では産卵用に春の七草「セリ」を入れていましたが、どうやら気に入らなかったようで、セリは使わず水底に産み落としていました。

最初の卵は孵化直前  

ミナミメダカ、ホトケドジョウに続きゲンゴロウと水族館ではベビーブームの到来で慌ただしい日々ですが、新米パパとして気を引き締めて希少生物の繁殖・保護に取り組んで参ります。

まだまだ生まれます。スペース足りない

 

飼育スタッフ 川野

2024年06月03日

絵を描く飼育スタッフ その14

展示やイベントなど様々な事をリニューアルしていますが、

今度は15年以上同じデザインだった水族館パンフレットが今年新しく生まれ変わる予定です。

今回、私は新しいパンフレットの館内マップのイラストを担当しています。

鳥瞰図は初めて描くため、パースが合わず歪んで見えてしまったり、毎日水族館で働いているはずなのにどんな構造だったか思いだせず、館内を歩き回ったりして描くのにとても時間がかかってしまいました。

だれが見ても分かりやすいフロアマップを目指し、試行錯誤しながら描いていきます。

新しいパンフレットが完成したら改めてブログにてご紹介しますので、今後をお楽しみに!

完成しているエリアを少しだけチラ見せ

飼育スタッフ 一見

2024年06月01日

「アユの日イベント アユを学ぼう」開催します!

本日6月1日は「アユの日」です。

6月1日は全国的にアユ釣りの解禁日に指定されている場所が多いので6月1日が「アユの日」に指定されたそうです。

 

そして6月2日(日)に水族館では「アユの日イベント アユを学ぼう」というイベントを開催します。

アユの解説や外池にアユの放流も行う予定となっていて、アユについて詳しく学べる内容です。

 

 

事前予約も受け付けていますので詳しくはホームページをご覧ください。

飼育スタッフ 鷲雄

2024年05月31日

世界カメの日(番外編1)

5月23日のブログでは「世界カメの日」という事で「ニホンイシガメ」を紹介しました。

水族館には他の種類のカメも展示しているので、順番に紹介します。今回は「ニホンスッポン」です。

このスッポンは他の種類のカメとは違い甲羅が柔らかい皮膚で覆われているのが特徴です。

鼻の先端が豚のようになっているので、水底にいても長い首を伸ばして呼吸をする事が出来ます。

また、足の水かきが発達しているため泳ぐのが得意です。

スッポンの仲間はかなり警戒心が強く、野生下では他の生き物の気配を感じるとすぐに水中などに隠れてしまいますが、

展示しているニホンスッポンはかなり慣れているので、水槽の前に人が立っても隠れる事はなく泳ぎながら近くまで寄って来てくれます。

見た目が他のカメと違うため、比べながら観察してみて下さい。

飼育スタッフ 西中

2024年05月30日

視線!?

飼育スタッフの仕事は様々ですが、重要な作業の一つに「見回り」があります。

飼育している生き物を見て、怪我や病気が無いかを確認していく作業です。

 

ある日、色々な水槽を覗いているとなんだか視線を感じました。

視線の正体は、岸辺の魚水槽に展示している「ミシシッピアカミミガメ」でした。

 

このカメはアメリカ合衆国東南部からメキシコが原産で、幼体は「ミドリガメ」の通称で呼ばれ、お祭りの屋台で買ったことのある方もいると思います。

今では日本全国の淡水域に分布し、川を覗けば日光浴をしている姿を見ることが出来ます。

ここまで広がってしまったのは、家庭で大きく成長して飼いきれなくなってしまい、野外に放流されてしまった事が原因の一つと言われています。

そして、野生下で数が増え続けていった結果、日本の生態系を脅かす危険な存在として「条件付き特定外来生物」に指定されるようになりました。

こういった外来生物問題の多くは、生き物が悪いのではなく人の手によって引き起こされています。

 

そういった事を多くの人に知って頂けるような展示作りをこれからも心がけていきます。

 

飼育スタッフ 髙部

2024年05月27日

好調・成長・ホトケドジョウ

5月10日のブログで産まれたての「ホトケドジョウ」の紹介をしました。

最初のフ化から20日ほど経ち、どれくらい成長したのかをご紹介します。

魚らしい体つきになってきた

一番成長の早い仔魚では全長6mm前後です。お米一粒の大きさと言えばイメージがつくかと思います。

産まれたての頃は2mm前後しかなかった体も2種間で約3倍に成長しました。

 

餌には粉末タイプの人工飼料と「アルテミア(ブラインシュリンプ)」という小さなプランクトンを与えています。

餌を食べるとお腹がぽっこりとオレンジ色に膨らむので、ちゃんと餌を食べているかどうかが分かりやすいです。

中央の泡が「うきぶくろ」

ホトケドジョウに限らず、多くの魚の仔稚魚は餌が足りずに餓死してしまう事がとても多いです。

そのため、1日に4回以上に分けてほんの少しずつ餌を与えることで、常に満腹の状態にすることが大切です。

 

引き続き観察を続けていき、希少生物の繁殖・保護に力を入れていきたいと思います。

 

 

飼育スタッフ 川野