2024年03月30日

淡水のシーラカンス

1階企画水槽で開催中の企画展「怪物な生き物」ですが、終了まであと1ヶ月を切りました。

今日はその企画展の中から「ブラックタライロン」を紹介します。

鋭い牙や立派な鱗などの勇ましい姿から、別名「淡水のシーラカンス」とも呼ばれています。

泳いでいる姿がとてもカッコイイ

見た目がシーラカンスに似ているため古代魚だと思われがちですが、実は古代魚には分類されません。

観賞魚でお馴染みのネオンテトラなどと同じ「カラシン」の仲間です。

川底や物陰に潜み、目の前を通った魚を襲って捕まえるという待ち伏せ型の捕食行動を取ります

かなり攻撃的な性格をしているため、水槽道具を近づけると鋭い牙で噛みついてきたり、体当たりしてきます。

この牙が本当に痛いです。

掃除道具には攻撃的ではありますが、

水槽の蓋を開けると餌が貰えると思うのか上の方に泳いでくるので、少しは人に慣れてきたのかなと思っています。

見た目がかなりかっこいい魚なので、是非この機会にご覧ください。

飼育スタッフ 西中

2024年03月26日

瞳が輝く魚

1月2日から水族館2階企画展示コーナーで開催中の「光り輝く生き物展」も、残るところあと半月となりました。

今回は、その中でも特に人気のある魚“アフリカンランプアイ”をご紹介します。

アフリカンランプアイ

アフリカンランプアイは、ナイジェリアやカメルーンなどの西アフリカに分布しているメダカの仲間で、

目の上のウロコが光の反射で青く光って見えるのが特徴です。

なぜ光らせる必要があるのかは調べてみても分かりませんでしたが、

群れを成して泳ぐ際の合図や目印になっているのかなと個人的に思いました。

アフリカンランプアイが見られる「光り輝く生き物展」は、4月15日(月)まで開催しています。

蛍光ブルーに輝く瞳を持つアフリカンランプアイが群れを成して泳いでいる幻想的な姿を是非ご覧ください。

飼育スタッフ 一見

2024年03月22日

マ サ カ サ カ サ マ

先日、水族館のバックヤードで飼育している「クレイジーフィッシュ」という魚が卵を産んでおりました。

水族館やペットショップでもあまり見かけないこの魚ですが、日本国内でも私の知る限り1つしか繁殖例の情報がなく、比較的珍しい事例なのではないかと思いますのでご紹介します。

背泳ぎの達人(達魚?) 

まず初めに、この魚はインドネシア周辺の淡水・海水の両方を行き来する魚で、ハゼの仲間に分類されます。

クレイジー(狂った)」と呼ばれる所以としては、いつでもどこでも「逆さま」になって泳いでいるからとされています。

これは、水草や水中に沈んだ木・枝にピタリと張り付き、餌とする生物をジッと待ち構えて捕食する生態のためだと考えられます。

 

仔魚(赤ちゃん)の頃はどのような姿かというと、

孵化後2日 黒い丸は卵黄だろうか

全長は3mm前後の非常に細い体型をしており、開口は確認できませんでした。

 

それではここからが本題です。いつも逆さまのこの魚、果たしていつから逆さまに泳ぎ始めると思いますか。

指先くらいの大きさからか、親と同じ姿カタチになってからなのか、皆さんの予想はいつ頃でしょうか。

雨のように降ってくる

なんと生まれてすぐから逆さまでした。本当に生き物は「不思議」に満ち溢れています。

頭の方が重いためか、逆さまになってスーッと緩やかに沈んでいくかと思えば、急に全速力で浮上し始めるものですから、

時間を忘れて一日中観察していられます。

 

残念ながら、生まれてきた仔魚の口に合う餌や「水の環境」を見つけられず、大きくすることは叶いませんでした。

悔しい気持ちでいっぱいですが、得られた経験と反省点をじっくり整理し、またの機会に活かしていきたいと思います。

 

飼育スタッフ 川野

2024年03月15日

展示デビュー

 

水族館1Fに展示中の「アメリカザリガニ」は真っ赤な体が特徴です。

そんなアメリカザリガニですが先日展示個体の交換を行いました。

 

というのも以前まで展示に出ていたザリガニが大きくなりパワーが強くなった結果、水槽のレイアウトを壊し始めてしまったからです。

 

 

代わりに移動してきたザリガニは昨年産まれた子ザリガニたち。

以前までのザリガニと比べて体色は特徴的な赤色ではありません。

 

これから餌をたくさん食べ、脱皮して成長することで赤くなることがあるそうです。

これから春になり、気温も上がってくるとザリガニたちも活発になってどんどん成長していきます。

子ザリガニが大きくなるのをそっと見守っていただけたら幸いです。

 

飼育スタッフ 伊藤

2024年03月09日

緑を育む

2月もあっという間に過ぎ去り早くも3月になりました。今年は暖冬のせいか例年よりも雪が多いと聞きますが、どうなのでしょうか。

初めは降り積もる雪が新鮮で雪かきも楽しかったのですが、こうもたくさん降ってこられると雪かきどころか雪までもが嫌になってしまいそうです。

 

さて、今回ご紹介するのは当館で展示している「ホトケドジョウ水槽」のレイアウトの話です

水族館に入ってすぐにあるよ

この水槽は、ホトケドジョウが好んで生息する流れの緩やかな「水路」をイメージして植物を多く取り入れたことで、緑豊かな明るい雰囲気を演出しています。

春の七草なのに夏になると猛烈に茂る「セリ」

その分、トリミング(剪定)する箇所や頻度も多く、管理が難しいなと感じる場面があります。特に水中に生えている「バリスネリア」という水草は、少しでもトリミングを怠ると、細長い葉っぱに茶色のコケが付いてしまい、光合成ができずに大きく育たないということがありました。

似た種類の「セキショウモ」なら聞いたことあるかも?

 

現在は株を入れ替えていますので、爽やかな緑色が美しい水槽になったと思います。

 

ちなみに新しいバリスネリアの間にはホトケドジョウ達が集まり隠れ家にしているようで、おそらく自然界でもこういった水草や川岸の植物が彼らの「ゆりかご」になっていると考えられます。

希少なホトケドジョウを守るために、ただ増やすだけでなく、住みやすい環境づくりにも取り組んでいきたいと思います。

 

 

飼育スタッフ 川野