二重回遊水槽の新しい仲間
先日、二重回遊水槽へ新たに“サツキマス”を搬入しました。
普段の二重回遊水槽の搬入は、水槽の上から水ごと生体を流し入れています。
ですが、今回搬入したサツキマスは他のマス類に比べてウロコがとても弱くデリケートな魚のため、
体が傷つかないよう水槽の中にあらかじめスタッフが入り水ごと運べる網の中に入ったサツキマスを放すやり方にしました。
丁寧な搬入のおかげで、サツキマスは傷ひとつ無く元気に二重回遊水槽の外側を泳いでいます。
銀色の体に赤い点々模様が美しいサツキマスを是非ご覧ください。
飼育スタッフ 一見
【もっと知りたい!】チョウザメのはなし⑤~キャビア編~
お客様から「展示しているチョウザメからキャビアを取っているんですか」という質問をよくいただきます。
そこで今回のブログでは「キャビア」についてご紹介します。
チョウザメと聞けば真っ先にキャビアを思い浮かべる方も多いと思います。
キャビアはチョウザメの卵を塩漬けにしたものでトリュフ、フォアグラに並んで世界3大珍味にも数えられています。
チョウザメの種類や品質により値段が変わりますが、最高級品と呼ばれているオオチョウザメから取れるベルーガキャビアは100g約8万円で販売されています。
なぜキャビアはここまで高級品なのでしょうか。
それはチョウザメ自体が自然界で数を減らしていることと、チョウザメが成熟し、キャビアを取れるようになるのに約10年かかると言われているからです。
また、チョウザメからキャビアを取り出すには卵巣ごと取り出さなくてはいけないので残念ながら当館ではチョウザメからキャビアは取っておりません。
水族館でチョウザメを見て改めてキャビアについて知っていただけたら嬉しいです。
飼育スタッフ鷲雄
寒サニ負ケズ
秋も過ぎ去り、いよいよ冬がやってきたように感じる日々が続いています。
寒さの厳しい季節がやってきた水族館ですが、飼育している「ニッコウイワナ」や「ヤマメ」などの渓流魚たちにとっては繁殖のベストシーズンでもあります
「ニッコウイワナ」では婚姻色なのか、特徴的な白い点模様が薄くなり、わずかに体色が黄色味を帯びているように感じます。
時おりオスがメスに寄り添い、産卵を促すような仕草や縄張りをアピールする様子を見ることがあります。
「ヤマメ」は11月の頭と終わりの計2回採卵することができました。
11月の頭に人工授精を施した卵は眼と身体の形がはっきりと確認できる「発眼卵」というステージにまで成長し、続々とふ化に至りました。
採卵した「ヤマメ」は無事成長すれば展示にも出す予定ですので、今後の成長にご期待ください。
飼育スタッフ 川野
初めての潜水!!
私がこの水族館の飼育スタッフとして働き始めて早くも半年が経ちました。
そして、先日ついに二重回遊水槽で潜水掃除の練習をしました。
初めは上手く沈むことが出来ず内心ドキドキでしたが、
コツを掴むと水槽の底を四つん這いで進めるようになりました。
次回からはバキュームを使って水槽底の魚の糞やゴミを吸い出す掃除を行います。
コツやアドバイスをたくさん聞き、早く一人前になれるよう頑張ります。
飼育スタッフ 髙部
藁を束ねて4年
今日は毎週火曜日の休館日という事で、開館日ではなかなか出来ない展示の“カヤネズミ水槽”に入っている藁束を新しいものと交換する作業をします。
カヤネズミは藁を裂いて巣をつくるので、数ヶ月経つと巣材として入れている藁の束が崩れてボロボロになります。
実はこの藁束、展示側から見やすいところに巣を作ってもらえるよう中心を丸いドーム状に束ねる工夫がしてあるのをご存知でしょうか。
カヤネズミが裂いても崩れにくくするために何度も改良を重ねて今の形に落ち着きました。
作製に少し手間がかかりますが、カヤネズミのための快適な環境をめざして毎回作り変えています。
飼育スタッフ 一見
【もっと知りたい!】チョウザメのはなし④~ミズウミチョウザメ編~
前回のブログ(11月30日投稿)に引き続き、当館で展示しているチョウザメをご紹介します。
今回ご紹介するのは「ミズウミチョウザメ」です。
原産地は北アメリカの河川や湖で、多くのチョウザメの仲間は海と川を行き来して生活していますが、本種は唯一淡水域のみで一生を過ごします。
同じ横見水槽に展示している「ベステルチョウザメ」ととてもよく似ているので見分けるのが難しいですが、
ベステルチョウザメと比べると鼻先が上反り返っていなくて体がスリムなのが特徴です。
チョウザメの仲間は長寿な種類が多いですが特にミズウミチョウザメは長生きする種類と言われていて、メスは150年近く生きることもあるそうです。
これからも長生きできるように頑張って飼育を行っていきます。
飼育スタッフ 鷲雄
水族館の魚見分け方講座③
11月20日(水)のブログにて川の魚水槽源流に展示している「ヤマメ」と「アマゴ」の見分け方をご紹介しました。
今回から数回に分けて「川の魚水槽中流」に展示している魚たちを紹介していきます。
今日紹介する魚は「オイカワ」と「ウグイ」です。
まず、この2種類が生息している中流域は、前回紹介した上流域よりも川を下った場所で、水流がかなり緩やかになります。
上流域と比べると水温が高いので、コイの仲間たちが多く見られるようになります。
オイカワは臀(しり)ビレが大きく伸びているのが特徴です。
体色は銀色ですが、オスは繁殖期になるとピンク色と青色の婚姻色が体に現れます。
とても体色が美しくなる事から「川の宝石」とも呼ばれています。
ウグイは全国的に分布が確認されていて、日本の中流域を代表する魚の一種です。
オイカワと比べると顔が細長く、臀ビレもそこまで大きくないので、見分けられるかと思います。
体色はオイカワと同じような銀色で黒い縦縞が入っています。
繁殖期になるとオスとメスともに赤色と黒色の婚姻色が現れます。
この2種類は婚姻色がとても綺麗なので、是非体色に注目していただければと思います。
飼育スタッフ 西中
驚異の10倍
水族館1階の「川の魚水槽」は、壁一面の大きな水槽を仕切りで三段に分けており、上から「源流」「上流」「中流」と山梨県の河川環境をイメージした展示です。
その川の魚水槽の「上流」では、先日展示個体の変更を行いました。
展示生物は以前までと変わらず「ヤマメ」と「アマゴ」の二種類ではありますが、
今年産まれの若い個体に変わり、展示匹数も以前の15匹から約150匹と10倍に増えました。
これだけ増えると魚群のように見え圧巻の光景です。
ただ、数が増えると給餌や掃除などの管理も大変になってくるので、今まで以上に頑張る必要がありそうです。
※展示生物の状態により展示を変更することがあります。
飼育スタッフ 伊藤
大型リニューアル~完成予定図編~
来年度の4月に、水族館1階のスロープ横部分のエリアが大型リニューアルします。
今回のブログでは、その完成予定図を一足先にご紹介します。
展示エリアの名前は“里地里山水槽”です。
川の始まりである源流域から里を流れる用水路までを再現したジオラマ型の展示になっており、
生き物が隣の水槽へ自由に行き来できるようなレイアウトを考えています。
このリニューアルで初めて携わる作業が沢山あるので、イメージ通りに作れるかドキドキしています。
これから定期的に作製風景をブログでご紹介しますので、里地里山水槽の完成をお楽しみに!
飼育スタッフ 一見
【もっと知りたい!】チョウザメのはなし③~シロチョウザメ編~
前回のブログ(11月21日)に引き続き、当館で展示しているチョウザメをご紹介していきます。
今回紹介するのは「シロチョウザメ」です。
生息地は北アメリカの沿岸部で、多くのチョウザメの仲間と同じように海と河川の両方を行き来することが出来ます。
顔は丸く、つぶらな目が可愛らしいのが特徴です。
シロチョウザメはチョウザメの中でもかなり大きくなる種類で、野生下では6mを越えるものも確認されています。
横見水槽で展示している一番大きなもので約1.8mありますのでもっと大きく成長させて本来の大きさに近いシロチョウザメをお客様に見ていただきたいなと思っています。
また、シロチョウザメのキャビアは他の種類と比べて粒が大きく100g約5万円で販売されており、
キャビアの中でも最高峰と言われています。
一度は食べてみたいものです。
飼育スタッフ 鷲雄