暑い夏に涼しい館内
8月になり、水族館がある忍野村は気温が高い日が続いています。
ただ標高が高いため、35℃を超える猛暑日は多くはないですが、
それでも野外はかなり暑く感じるので、熱中症対策を忘れないようにしないといけません。
ですが、水族館内は約12℃の富士山の地下水を飼育水として使用しているおかげで、
特に1階部分は水槽からの冷気でかなり涼しくなっています。
また、館内には畳やベンチなど座れるスペースも沢山あるので、外の公園で遊んだ後の休憩としても最適です。
今年も暑い夏になると予想されていますので、避暑地としても水族館をご利用下さい。
飼育スタッフ 西中
8月のマンスリー水槽
水族館のエントランスにはマンスリー水槽という展示があり、毎月テーマを決めて展示を行っています。
今月は栄養満点な夏野菜が名前についている生き物です。
「サビトマトガエル」というマダガスカルに生息している地表性のカエルの仲間で、名前から察せられるように体色が赤褐色をしています。
外敵に襲われるとトマトの様に体を膨らませる行動が見られます。
かなり特徴のある生き物なのでじっくり観察してみてください。
飼育スタッフ 髙部
貴重なサンショウウオ
当館では、今年貴重な両生類である「サンインサンショウウオ」の孵化・育成に成功しました。
「サンインサンショウウオ」は鳥取県や島根県、兵庫県などに生息しているサンショウウオですが、実は元々西日本に広く分布していた「カスミサンショウウオ」が、2019年に遺伝子などの違いで9種の新種として分類しなおされたうちの1種です。
4月頃に飼育ケース内で卵を発見し、
1カ月ほどで手の生えたオタマジャクシの様な幼生が生まれました。
孵化後2カ月ほどかけて水中で成長していき、
つい先日変態して上陸しました。
わからないことだらけで手探りでの飼育ですが、少しずつ成長を実感しています。これからも成長の様子も随時紹介していきます。
飼育スタッフ 伊藤
ヒメマスの超変身
今回は、当館で最も大きな水槽「二重回遊水槽」にて展示している「ヒメマス」に婚姻色が出始めましたのでご紹介します。
生き物の多くは季節の変化により繁殖のスイッチが入ります
スイッチが入ることで、体色や体形が大きく変化する生き物もおり、特に繁殖期にのみ見られる特有の体色を婚姻色と呼びます。
ヒメマスにおいては、通常は銀色の体色に流線形の体形が印象的ですが、繁殖期のオスでは体色も赤く染まり色鮮やかな婚姻色に変化します。
さらには、背びれ付近が盛り上がり、まったく違う魚に見えるほど劇的な変化を遂げます。サケマスの仲間に見られるこのような体の変化を「せっぱり」と呼びます。
今はまだ体色がピンク色になり、口先だけが盛り上がり始めている段階ですが、今後どのように変化するのかを見届けたいと思います。
飼育スタッフ 川野
特別コラボ展💎
7月14日(水)から当館初の特別コラボ展“『生物×宝石』展”を開催しております。
コラボを受けてくださったのは、主にSNSで活動していて、宝石と融合させた作品を描かれている色鉛筆作家の安部祐一朗さんです。
なんと、今回のコラボ展のために富士の介など当館の象徴的な生き物と宝石を融合した描き下ろし作品を5作品描いてくださいました。
展示では描き下ろし作品とそのモチーフになった生き物の展示だけではなく、作品で描かれている宝石の標本も一緒に展示しています。
また、コラボ展の開催に合わせて、1階企画展コーナーの飾り付けも力を入れて作っているので、細部まで見てくださると嬉しいです。
この特別コラボ展は2024年7月14日(水)〜2024年12月29日(日)の期間で開催予定です。
美しい作品と生き物たちを是非じっくりと御覧ください。
飼育スタッフ 一見
【続報】ホトケドジョウの繁殖について
以前からブログでご紹介しているホトケドジョウの繁殖について、続報をご報告します。
最初の産卵から約3カ月が経ち、成長の早い稚魚は約3cmまで大きくなりました。
親のホトケドジョウと変わらない体色になってきて、稚魚の成長を実感しています。
まだプラスチックケースで飼育をしているのですが、
手狭になってきたのでそろそろ水槽に移動させようかと検討しています。
今年はかなり多くの稚魚が生まれたのでエサやりや換水がとても忙しかったのですが、
引き続き丁寧な飼育を続けて立派なホトケドジョウに育てていきます。
飼育スタッフ 鷲雄
新体操選手
一日の作業を終えて暗い館内を見回りしていると、ある生き物が驚きの行動をしていました。
なんと、2階のおいしい水族館で展示している「モクズガニ」が倒立をしていました。
第2歩脚を水槽の仕切り板に差し込みうまくバランスを保っています。
この光景を見て思わず「どうして!」と叫んでしまいました。
毎日観察していても生き物達の意外な行動はなかなか見る事ができません。
なので、今回の様な写真が撮れたらまたご紹介したいと思います。
飼育スタッフ 髙部
アツアツな夫婦
最近は気温もかなり上がり、夏休みへのカウントダウンが始まったなと感じる日々です。
先日、閉館作業でさかな公園の奥の方までお客様がまだ残っていないか見回りをしていると、ある生き物に遭遇しました。
それは「マガモ」のペアです。
毎年今ぐらいの時期にさかな公園に来ているそうですが、同じペアかは分かりません。
オスは優雅に泳ぎ、メスは石の上で休んでいる姿を見る事が出来ました。
もし見つけた際は驚かせたりせず、ちょっと離れた位置から観察してみて下さい。
飼育スタッフ 髙部
日光浴の場所取り合戦
水族館1階の「岸辺の魚水槽」では「ミシシッピアカミミガメ」を2匹、「ニホンイシガメ」を1匹展示しています。
先日館内の見回りをしていたら、桟橋の上で3匹のカメが日光浴の場所の取り合いをしていました。
よく観察していると、ミシシッピアカミミガメがニホンイシガメを押しのけて一番暖かい場所に陣取っていました。
ミシシッピアカミミガメはアメリカ原産の外来種としても知られ、
自然界でも在来種のニホンイシガメの日光浴の場所を奪ってしまっているなどの問題がありますが、まさにそんな場面を見てしまいました。
アカミミガメはニホンイシガメよりも体が大きく、パワーもあるのでなかなか敵いません。
自然界でも同じようなことが起こっているのだろうなと思い、改めて外来種問題を考えさせられました。
飼育スタッフ 鷲雄
7月マンスリー水槽
7月に入り川に釣りやバーベキューに行く機会が増えると思います。
安全に見える川の中にも、実は危険な生き物が潜んでいます。
今月のマンスリー水槽は、そんな川の危険な生き物「アカザ」です。
この魚は日本固有種で、山梨県の川にも生息しています。
とても可愛らしい顔をしていますが、実は胸ビレと背ビレに毒を持っています。
毒棘にささると、ジクジクした痛みがあり、赤くなります。
ヒレの毒棘は短いため刺される事はまれですが、普段石の下に隠れているため、
川の中を裸足やビーチサンダルで歩いていると誤って踏んでしまい刺されてしまう事があります。
川や海に入る時は事前にどんな生き物がいるか、どんな格好をすれば良いのかを事前に調べる事がお勧めです。
飼育スタッフ 西中