マミズクラゲについて知ろう①
当館は2017年9月9日から「マミズクラゲの連続展示国内最長記録」を日々更新し、
今日で1452日(休館日を含む)となりました。
今日は、マミズクラゲをもっと詳しく知ってもらうためにマミズクラゲの「ポリプ」について紹介します。
マミズクラゲは遊泳生活を送る「クラゲ世代」と底生生活を送る「ポリプ世代」という2種類の生活様式を持ち、形が大きく異なります。
「ポリプ」という言葉は聞きなれないと思いますが、
クラゲと同じ刺胞動物のイソギンチャクやサンゴ、ヒドラなどをイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。
底生生活を送るポリプの形のままで生きるのがイソギンチャク、ポリプから形を変えて水の中を漂うのがクラゲです。
マミズクラゲはこのポリプから「クラゲ芽」と呼ばれるものを出し、
それが分離すると皆さんが想像しているクラゲの形になります。
また、ポリプはクローンのように1個体で増えること(無性生殖)が出来ます。
野生のマミズクラゲのポリプは池や湖、防火水槽の水底にある石や落ち葉、小枝などに付着しているので、
調査や採集に行くときは必ず石や落ち葉などを水族館に持ち帰っています。
今年は採集に行く事がなかなか出来ないので、
水族館にいるポリプを少しずつ増やしていこうと思います。
飼育スタッフ 西中
今日のアカハライモリ⑰
8月8日(日)のブログ“今日のアカハライモリ⑯”で紹介した今年産まれのアカハライモリの幼生は、順調に成長しています。
見た目の変化としては、体がひとまわり大きくなり体色も黒っぽく変化してきました。
大きくなり摂餌量も増えてきたため、餌をアルテミアから小さく刻んだ冷凍赤虫に切り替えました。
餌を与えれば与えるだけ食べてしまうので、今後は餌のあげ過ぎに気を付けて飼育していきます。
飼育スタッフ 一見
ビオトープにカメ脱走防止用のネットを設置した件について
先日、水族館2階ウッドデッキのビオトープにカメの脱走防止用のネットを設置しました。
一見のんびりしていてあまり動かなそうなイメージのあるカメですが、
ちょっとした段差や隙間があると簡単によじ登ってしまいます。
そのため、ネットを高くして登れないようにして、カメが出ていける隙間がないように端まできっちりとネットを立てました。
ここまで厳重にネットを設置すればカメがよじ登っていくこともないでしょう。
のびのびとビオトープで生活していけるように安全対策には注意していきます。
水族館 鷲雄
ワサビ水槽のその後
6月24日(木)に紹介したエントランスにあるワサビ水槽の続報です。
設置から約2カ月が経ち、いろいろ変化がありました。
まず主役のワサビですが、古い葉が枯れ新しい葉が生えてきています。
ただ水槽の都合上あまり大きなスペースが取れなかったのか、少し小ぶりの葉になってしまいました。
続いて周りの苔ですが、こちらも着々と成長しています。
また植えた覚えのない植物も顔を出してきました。
ワサビや苔たちが今後どのように育つのか楽しみです。
飼育スタッフ 古根川
新・水生昆虫コーナー紹介①
臨時休館中に作製にとりかかった新・水生昆虫コーナーはほぼ完成しました。
後は壁紙を周りに貼って完成です。
水槽は増設して3本になり、
それぞれの生息地を再現した水槽に仕上げましたので、
3週に分けて1つずつご紹介します。
1種類目は、新しく「タイコウチ」を展示します。
水槽は「用水路から水が流れる田んぼ」を再現しており、
右側に用水路、左側は田んぼをイメージして作りました。
タイコウチは外敵に襲われないように泥に隠れていたり、
木の枝や枯葉のような体をしているので、自然界では探すにも苦労します。
用水路から注がれる水の動きや、
タイコウチとの隠れんぼんが特徴的な水槽になりました。
飼育スタッフ 山﨑
夏休みの自由研究②
8月19日(木)のブログにて「夏休みの自由研究の質問」についてお答えしました。
今回もよくある「外来種の展示や飼育には許可が必要ですか?」という質問に答えていこうと思います。
特定外来生物に指定されている生物に関しては外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)に基づいて
「飼育」や「運搬」などを行うには環境省と農林水産省の許可が必要です。
また、特定外来生物が法律で規制されているのは生きているものに限られますが、
「卵」なども許可が必要な対象です。
当館では「オオクチバス」「ブルーギル」「カダヤシ」の3種類が対象となっており、
許可を得て飼育・展示しています。
この3種類を水族館で飼育・展示する事によって特定外来生物とはなにか、
どんな問題があるのか、なぜ野生に放してはいけないか、などを考えるきっかけになればと思います。
*特定外来生物を販売目的や観賞目的で新たに購入・捕獲・飼育する事は認められていません。
飼育スタッフ 西中
謎の稚魚の正体は…?
水草水槽の定期メンテナンス中、展示側からは見えない給水パイプのある
小さな空間に見慣れない小魚が沢山泳いでいました。
メダカにしては平べったく、背ビレには黒点があるのでタナゴの稚魚だと思われます。
どうやら水草水槽で展示しているタイリクバラタナゴが繁殖したようです。
タナゴの仲間は二枚貝に卵を産み付ける習性があり、
水槽では大きなヌマガイも一緒に展示しているので、タナゴの繁殖に適した環境になっています。
ただし産まれたばかりの稚魚を捕食する生き物も水槽内には沢山いるため、成体まで成長するのは通常1、2匹程でした。
今回多くの稚魚たちが生き残れたのは、給水パイプの空間に捕食者が入ってこない安全な場所があったからなのでしょう。
飼育スタッフ 一見
休館中のスタッフの様子
現在、水族館は山梨県からの要請で9月12日(日)まで休館しています。
しかし、水族館は休館でも生き物たちのお世話は毎日しなければならないので休館中でも飼育スタッフは元気に出勤しています。
普段の生き物のお世話に加えて、開館中ではできないような水槽のリニューアルや細かい部分の掃除など、
休館中でもやることはたくさんあります。
休館中もエサやりは欠かせません
これからレイアウトをする予定の水槽。まだ空っぽです。
再開館した際にリニューアルした展示を皆さんにお見せできるように体調に気を付けながら頑張っていきたいと思います。
飼育スタッフ 鷲雄
夏休みの自由研究
この時期になると「夏休みの自由研究」に関するお問い合わせが多くなります。
今回はその中から「水族館の生き物はどこから来るの?」の質問にお答えしていきます。
水族館の生き物は水族館などに生き物を販売している問屋(とんや)から購入しているものや、
野生から採集するものもいます。
ただ、採集しすぎてその場所から生き物がいなくなる事がないように必要な分だけ水族館に持ち帰り、
バックヤードで繁殖を行っています。
水族館に展示しているホトケドジョウなどの特定希少野生動植物(絶滅の危機にある野生動植物)に関しては、
都道府県や自治体によって採集や飼育に許可が必要な場合もあるので、
一度調べてみる事が大切です。
*ホトケドジョウは山梨県から許可を頂いた上で採集・飼育をしています。
飼育スタッフ 西中
湧き水で涼しげな夏を
8月に入り、忍野村では暑い日が続いています。
私も熱中症にならないように水分を多く取って気を付けています。
さて、当水族館では、地下約30mから汲み上げた地下水を飼育水に使用しています。
地下水は年間を通して水温が約12℃と冷たく、透明度が高いので水槽も透き通っていて、見ていてとても涼しげです。
二重回遊水槽 横見水槽
現在は休館中ですが、水族館が開館した際は涼しげな水槽を見て暑さを乗り切りましょう。
飼育スタッフ 鷲雄