2018年02月22日

標本作り

水族館の飼育スタッフは、日々掃除や給餌など様々な生き物の飼育作業をしていますが、

実は普段見えないバックヤードではそれ以外にも色々なことをやっています。

 

例えば、バックヤードの棚で干されているイセエビ。

これはイセエビが日光浴をしているわけではなく、脱皮殻を乾燥させて作る乾燥標本を

作製しているところなのです。

他にも、水槽内で脱皮したノコギリガザミやマルソデカラッパといった甲殻類の

乾燥標本も作製しています。

こういった標本は、普段しっかりと見ることが出来ない部分を詳しく観察する事が出来るので、

生き物のことを勉強できる良い教材になるのです。

 

今後展示する予定はありませんが、バックヤードツアーなどで使うこともありますので、運の良い方はお手製

乾燥標本を見ることが出来るかもしれません。

飼育スタッフ 羽生

2018年02月18日

見た目のインパクト

特別展「変わりもの展」を開始してから早いもので1ヶ月が経ちました。

 

今回は、私が担当している中で一押しの生き物「ウデムシ」をご紹介します。

ヒヨケムシ、サソリモドキと並んで世界三大奇蟲の1種として知られています。

名前にウデと入っている通り、とっても長い脚(ウデ)を持っているのが特徴です。

一番長い脚は、虫の触覚のような感覚器官になっていて、エサを探すときなどに使われています。

 

アフリカや東南アジア、タンザニアなどの熱帯地域の森林に生息し、

昼間は朽木の隙間や洞窟などの物陰でじっと身を潜め、暗くなると動き出します。

普段はゆっくりと動きますが、エサを捕る時や、危険を感じた時は見た目とは裏腹に素早く動きます。

見た目のインパクトが強い生き物ですが、体をよく見ると頭胸部の部分がハートの形をしていたり、

求愛する時にダンスを踊るという可愛らしい一面も持っているので、見れば見るほど愛着が湧いてきますよ。

飼育スタッフ西中

2018年02月10日

水槽の中のおだんご

今月のマンスリー水槽は、現在開催中の特別展「変わりもの展」から「ダンゴウオ」です。

このちっこくて丸くて可愛らしい姿をしたダンゴウオは腹ビレが吸盤状になっていて
どこでもくっつけるんです。
水槽の中でも、底にいたり壁にいたり岩の隙間にいたりと上下関係なく色々な場所に
くっついています。

  

ダンゴウオの仲間は北極海を中心とした北半球の寒い海に生息しているのですが、
寒い時期になると日本の磯にも南下してくるので、伊豆半島などでも見ることができ
ダイビングでも人気の生き物の1種です。

この可愛らしい姿かたちに癒されつつ、水槽の中にはいったい何匹隠れているのか
是非探してみて下さいね。

 

飼育スタッフ 亀井

2018年02月06日

ひょうきん者のカエルさん

先日降った雪のおかげで、水族館周辺は再び綺麗な雪景色に包まれています。

 

今回は特別展「変わりもの展」の中から、「マルメタピオカガエル」を紹介します。

このカエルはアルゼンチンやパラグアイなどに生息しており、カエルとは思えないひょうきんな姿をしているのが特徴です。

頭部は大きく体長の約1/3を占めるほどで、顔に似合わない鋭い歯を持っています。

普段は底にじっとしていることが多いですが、落ち着くと水面から眼だけを出していることがあり、ユニークな立ち姿を見せてくれます。

鳴き声も独特で、身の危険を感じた時はまるでゼンマイ仕掛けのようなダミ声で威嚇をします。

 

エサを食べるときは大きな口を使った迫力のある豪快な食べ方をしてくれるので、毎回のエサやりがいつも楽しみです。

一週間に一度の間隔でエサをあげていますが、もしタイミングが合えば、捕食シーンを見ることができるかもしれませんよ。

 

飼育スタッフ 古根川

2018年02月02日

産卵への準備

最近の寒波によって、ここ忍野村でも寒い日が続いています。

 

そんな中、水族館の展示水槽にいる「ナガレタゴガエル」の姿が少し変わってきました。

 

このカエルは2~4月の冬頃に産卵期を迎えますが、産卵期が近くなるとオスは水の中に入ってメスが来るのを

待っています。

この時に、水中の酸素を効率よく吸収できるように全身の皮膚がダルダルに弛んできて、まるで別の生き物のように

見た目が変わります。

 

水族館で展示されているカエルも気温の変化を感じ取って、体の横の部分が弛んできて産卵期の状態に少しずつ

近づいてきました。

昨年も水槽内で産卵してくれたので、今年も上手くいくように見守っていきたいと思います。
飼育スタッフ 羽生