食害
水族館1Fで展示中の「アメリカザリガニ」水槽にレイアウトとして春の植物が植え直しました。
「フキ」や「オオイヌノフグリ」など春を感じられる様々な植物を植えていたのですが、
数日後にはアメリカザリガニによって食べられて見るも無残な姿になってしまいました。
ザリガニが植物を食べることは以前から言われており、
2023年6月から条件付き特定外来生物に指定された際は、「水生植物を消失させる」ことが理由の1つとされています。

ザリガニが植物を食べることはある程度は想定していました。
ただ陸上植物だったこともあり、おやつ感覚で食べる程度かなと思っていましたが、ここまで食べてしまうとは私自身ザリガニを侮っていました。
飼育スタッフ 伊藤
春、春、春!
あっという間に4月を迎えると同時に心機一転の令和6年度が始まりました。
社会人ならびに飼育スタッフとして2年目の春を始められることをとても嬉しく思います。その分自身のやるべきこととやりたいことも増えていき、不安とワクワクでいっぱいな今日のこの頃です。
最近は暖かい日も続き、少しは過ごしやすい気温になってきたようにも感じます。
水族館の生き物たちも4か月ほどの冬眠から続々と目覚め、迫りくる「春の訪れ」を感じているのだと教えてくれました。

当館で飼育・展示を行っている「ゲンゴロウ」も例外ではなく、ここ一週間は発達した後ろ脚を使い、懸命に泳ぎまわる姿を見る機会が増えました。
真冬の間は気温・水温の低下に伴い水底でジッとしているのですが、その間は餌も食べないため、ほとんどお世話をする必要がなくなります。
こうなるともはや「僕は『水』を育てているのかな?」という錯覚に陥ることがあります。

こうして無事に冬を乗り越えエサを食べ始めるようになると、ここでようやく「僕は『ゲンゴロウ』を育てているのだ!」という実感を得ることができます。
それどころかバックヤードのゲンゴロウ水槽では、たちどころに包接という繁殖行動を始めておりました。メスの背中にオスがピタリとくっつき、おんぶの状態で泳ぎ回ります。

ゲンゴロウは山梨県では絶滅危惧種ⅠB類、すなわち「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」であるため、今年度は繁殖をはじめとした保全に向けた取り組みを進めていきたいと思います。
飼育スタッフ 川野
展示デビュー
毎朝桜の開花のニュースを見ますが、水族館の周りの桜は蕾がようやく膨らみ始め、
満開になるまでにまだまだ時間が掛かりそうです。

忍野村の桜の見頃は4月中旬から下旬にかけてとの事なので、桜の様子などをブログにてお伝えしていきます。
さて、4月に入り小学校デビューや社会人デビュー、花粉症デビューなど「○○デビュー」という言葉をよく聞くようになりました。
今月のマンスリー水槽は、水族館のバックヤードにいたものの「展示デビュー」する機会がなかった生き物「マダライモリ」です。

フランスやスペインなどの森林を流れる水辺に生息するイモリの仲間です。
夜行性なので流木の陰に隠れている事が多いのですが、緑と黒の体色と鮮やかな赤い模様がとても綺麗で目立つため、
水槽内を探すとすぐに見つける事が出来ると思います。

バックヤードには展示デビューを待っている生き物がまだまだいるので、
毎週土曜日に行っているイベント「バックヤードツアー」で観察してみて下さい。
飼育スタッフ 西中
魚にトレーニング?
水族館で展示している生き物にエサやりをしていると、たびたび生き物ではなく「エサ」に注目が集まることがあります。
当館で使用している餌は大きく分けて3種類あり、「人工飼料」、「冷凍餌料」、「生きエサ」に分けられます。

その中でも人工飼料は栄養成分がバランスよく含まれており、冷凍餌料、生きエサよりも安価で保存もしやすいという長所があります。
しかしながらその反面、生き物が人工飼料を食べるようにトレーニングをする「餌付け」という物が必要です。
この餌付け、時間がかかる上に食べない生き物はとことん食べないため、根気よく続けることが大切です。
人工飼料を砕いた粉を違う餌に付ける、冷凍餌料の中に人工飼料を忍ばせるなど、あの手この手を使い餌の味を覚えさせる、味に慣れてもらうようにします。

希少生物水槽で飼育している「ニホンウナギ」も3か月のトレーニングの末、ついに先日、餌付けが完了しました。
完全に餌付くことができれば、目の色を変えて飛びつき、一心不乱に頬張る姿を見る事ができます。

人工飼料だけでなく様々な餌を組み合わせて与えることが、生き物たちが食べ飽きず、健康に育てる上で大切なのではないかと思います。
飼育スタッフ 川野
春の新ファッション?
ここ最近暖かい日が増えたおかげで、両生類コーナーのカエルたちが活動的になってきました。
今日は朝の見回り中に「トノサマガエル」と目が合ったので写真を撮ろうとカメラを構えたところ、
隣にいたアカハライモリの違和感に気づきました。
なんと頭に小石を乗せているではありませんか。
いつどうやって頭に乗ったのか不思議で仕方ないのですが、
なによりアカハライモリがまったく気にしていないところが面白かったです。
そもそも頭の小石に気づいていない可能性があります。
朝からクスッと笑える出来事でした。
飼育スタッフ 一見
淡水のシーラカンス
1階企画水槽で開催中の企画展「怪物な生き物」ですが、終了まで
今日はその企画展の中から「ブラックタ
鋭い牙や立派な鱗などの勇ましい姿から

見た目がシー
観賞魚でお馴染みのネオンテトラ
川底や物陰に潜み、目の前を
かなり攻撃的な性格をしているため、水槽道具を近づけると鋭い

水槽の蓋を開けると餌が貰え
見た目がかなりかっ
飼育スタッフ 西中
瞳が輝く魚
1月2日から水族館2階企画展示コーナーで開催中の「光り輝く生き物展」も、残るところあと半月となりました。
今回は、その中でも特に人気のある魚“アフリカンランプアイ”をご紹介します。

アフリカンランプアイは、ナイジェリアやカメルーンなどの西アフリカに分布しているメダカの仲間で、
目の上のウロコが光の反射で青く光って見えるのが特徴です。
なぜ光らせる必要があるのかは調べてみても分かりませんでしたが、
群れを成して泳ぐ際の合図や目印になっているのかなと個人的に思いました。
アフリカンランプアイが見られる「光り輝く生き物展」は、4月15日(月)まで開催しています。
蛍光ブルーに輝く瞳を持つアフリカンランプアイが群れを成して泳いでいる幻想的な姿を是非ご覧ください。
飼育スタッフ 一見
マ サ カ サ カ サ マ
先日、水族館のバックヤードで飼育している「
水族館

まず初め
「
これは、
仔魚(赤ちゃん)の頃はどのような姿かというと、

全長は3mm前後の非常に細い体型をしており、開口は確認できませんでした。
それではこ

なんと生まれてすぐから逆さま
頭の方が
残念ながら、
悔しい気持ちでいっぱいです
飼育スタッフ 川野
展示デビュー
水族館1Fに展示中の「アメリカザリガニ」は真っ赤な体が特徴です。
そんなアメリカザリガニですが先日展示個体の交換を行いました。
というのも以前まで展示に出ていたザリガニが大きくなりパワーが強くなった結果、水槽のレイアウトを壊し始めてしまったからです。
代わりに移動してきたザリガニは昨年産まれた子ザリガニたち。
以前までのザリガニと比べて体色は特徴的な赤色ではありません。
これから餌をたくさん食べ、脱皮して成長することで赤くなることがあるそうです。
これから春になり、気温も上がってくるとザリガニたちも活発になってどんどん成長していきます。
子ザリガニが大きくなるのをそっと見守っていただけたら幸いです。
飼育スタッフ 伊藤
緑を育む
2月もあっという間に過ぎ去り早くも3月になりました。今年は暖冬のせいか例年よりも雪が多いと聞きますが、どうなのでしょうか。
初めは降り積もる雪が新鮮で雪かきも楽しかったのですが、こうもたくさん降ってこられると雪かきどころか雪までもが嫌になってしまいそうです。
さて、今回ご紹介するのは当館で展示している「ホトケドジョウ水槽」のレイアウトの話です

この水槽は、ホトケドジョウが好んで生息する流れの緩やかな「水路」をイメージして植物を多く取り入れたことで、緑豊かな明るい雰囲気を演出しています。

その分、トリミング(剪定)する箇所や頻度も多く、管理が難しいなと感じる場面があります。特に水中に生えている「バリスネリア」という水草は、少しでもトリミングを怠ると、細長い葉っぱに茶色のコケが付いてしまい、光合成ができずに大きく育たないということがありました。

現在は株を入れ替えていますので、爽やかな緑色が美しい水槽になったと思います。
ちなみに新しいバリスネリアの間にはホトケドジョウ達が集まり隠れ家にしているようで、おそらく自然界でもこういった水草や川岸の植物が彼らの「ゆりかご」になっていると考えられます。
希少なホトケドジョウを守るために、ただ増やすだけでなく、住みやすい環境づくりにも取り組んでいきたいと思います。
飼育スタッフ 川野