2024年05月30日

視線!?

飼育スタッフの仕事は様々ですが、重要な作業の一つに「見回り」があります。

飼育している生き物を見て、怪我や病気が無いかを確認していく作業です。

 

ある日、色々な水槽を覗いているとなんだか視線を感じました。

視線の正体は、岸辺の魚水槽に展示している「ミシシッピアカミミガメ」でした。

 

このカメはアメリカ合衆国東南部からメキシコが原産で、幼体は「ミドリガメ」の通称で呼ばれ、お祭りの屋台で買ったことのある方もいると思います。

今では日本全国の淡水域に分布し、川を覗けば日光浴をしている姿を見ることが出来ます。

ここまで広がってしまったのは、家庭で大きく成長して飼いきれなくなってしまい、野外に放流されてしまった事が原因の一つと言われています。

そして、野生下で数が増え続けていった結果、日本の生態系を脅かす危険な存在として「条件付き特定外来生物」に指定されるようになりました。

こういった外来生物問題の多くは、生き物が悪いのではなく人の手によって引き起こされています。

 

そういった事を多くの人に知って頂けるような展示作りをこれからも心がけていきます。

 

飼育スタッフ 髙部