2020年03月30日

今日のアカハライモリ その③

最近、両生類コーナーのカハライモリを展示している水槽に大きな変化がありました。

なんと、メスのアカハライモリが水草に卵を産み付けました。

アカハライモリの卵

以前からイモリのお腹が大きくなっていると感じていましたが、

今回の件で卵を抱えているということが分かりました。

水草に付いている卵の数が少なので、まだまだこれからも産卵は続きそうです。

数少ない卵は、ほかの生き物に食べられてしまう前に水草ごと採取してバックヤードに避難させました。

受精卵であることを期待して成長を見守りたいと思います。

今日のアカハライモリ

飼育スタッフ 一見

2020年03月28日

これぞ淡水魚の魅力 Part1

一般的に「淡水魚は地味だ」とよく言われ、

たしかにどれも同じような銀色をしています。

 

しかし、そんな淡水魚でも繁殖期になり「婚姻色」を身に纏うと、

別の魚と思うほど見違えます。

 

春に産卵する生き物で当館のタイリクバラタナゴも

きれいな赤とメタリックに輝く色になりました。

 

こういった婚姻色に惹かれて、

淡水魚を好きになる人も少なくありません。

そのうちの一人が、私でもあります。

 

また、婚姻色を身に纏った生き物が現れたら随時お知らせいたします。

 

飼育スタッフ 山﨑

2020年03月27日

淡水2枚貝のエサ

以前からお伝えしている淡水2枚貝の長期飼育についてですが、

飼育を始めてから約2ヶ月が経ちました。

数個体は残念ながら亡くなってしまいましたが、ほかの個体については今のところ問題なく育っています。

水草水槽の2枚貝たち

与えているエサについてですが、淡水2枚貝は「珪藻」と呼ばれる植物プランクトンを水と一緒に取り込み、

栄養にしていると言われています。

 

水族館では外池やビオトープの石に珪藻がたくさん付着しているため、それを濾したものを使用しています。

ろ過した珪藻液。

 

ただし、珪藻を入れすぎてしまうと水槽がすぐにコケだらけになってしまうので注意しながら入れています。

すぐにコケてしまう。

 

エサの量に気を付けつつ今後も飼育を続けていきます。

 

飼育スタッフ鷲雄

2020年03月26日

カエルのご訪問

 

今年もさかな公園内にあるじゃぶじゃぶ池でヤマアカガエルが産卵に来ていました。

じゃぶじゃぶ池

 

水族館でもバックヤードで1卵塊育てており、順調に孵化が始まっています。

卵塊
生まれたてのオタマジャクシ

 

まだ孵化して間もないため外鰓があります。

手のようなのが外鰓

外鰓は成長とともにすぐなくなってしまうので、小さい今の時期にしか観察できない特徴です。

今後も成長に合わせて紹介していくのでお楽しみに。

 

飼育スタッフ 古根川

2020年03月24日

バナナみたいな卵

 

先日、展示水槽内でトウキョウサンショウウオが卵を産みました。

生体と卵のう

 

水の流れがない止水域に生息するサンショウウオで、2~4月が繁殖期です。

サンショウウオはカエルと同じように、卵のうと呼ばれるゼリー状の卵を産みます。

卵のう1対
水カビを防ぐための薬浴

カエルほど卵の数は多くないですが、バナナ型の卵のうで、青みがかった綺麗な卵のうを産む種類もいます。

本来は水中に産卵後受精をしますが、今回は水槽の仕様上卵のうの半分しか水に浸かっていなかったため未受精卵の可能性が高いです。

受精卵であることを願いつつ、ひとまずは様子を見ようと思います。

 

飼育スタッフ 古根川

2020年03月23日

稚クラゲ成長記録①

2月25日(火)のブログで稚クラゲが出るようになったとお伝えしてから早いもので1ヶ月が経とうとしています。
あの後も順調に出芽し、現在水族館のバックヤードでは150匹以上の稚クラゲが日々成長しています。
日々成長してます!
コップの中に稚クラゲが入ってます!
マミズクラゲを飼育していく中で、目標としている事が3つあります。
1つ目は連続展示記録1000日を越え、常設展示をおこなう。
2つ目はマミズクラゲの飼育方法を確立させ、謎が多い生態の解明をする。
そして3つ目が飼育下で自然界の大きさに近づける。ということです。
特に3つ目は、飼育下のクラゲの大きさは自然界と比べると小さく、
ある程度まで大きくなるとなぜか成長が止まってしまいます。
なぜ成長が止まってしまうのかを調べないと自然界のようなサイズのクラゲを展示することができません。
そこで、飼育容器を変更したり、餌を変えたりと試行錯誤をしながら日々飼育を行い、
成長に変化が出るか観察をしています。
頑張ります!
変化が出たらまたブログにてお伝えしますのでお楽しみに。
飼育スタッフ 西中
2020年03月22日

不死身のプラナリア

さかな公園を流れる小川で生き物探しをした際、石の裏からプラナリアを採集しました。

冷たいきれいな川に生息していて、さかな公園の小川で大量発生しています。

さかな公園の小川
プラナリア

実はこのプラナリア、どんなに細かく千切れても再生して元の形に戻る、

不死身の体を持っているすごい生き物なのです。

採集した時に千切れてしまった個体も、数日後には再生を始めていました。

千切れたプラナリア その①
千切れたプラナリア その②

プラナリアの観察にハマってしまった今、いつか何かの企画展で出したいと思い、ひっそりバックヤードで飼育中です。

どのように体が再生されるのかが気になる不死身なプラナリアの紹介でした。

飼育スタッフ 一見

2020年03月20日

石の下には何がいる Part9

田んぼでよく見かけるゲンゴロウの仲間も

川の石の下に挟まるように生息しています。

 

これは「モンキマメゲンゴロウ」という種類で、

流れのある川の石や植物の下でよく見つけることが出来ます。

 

背中の黄色い模様が特に目立っていますが、

個体によって様々であることも特徴的です。

 

体長1cmにも満たない体ですが、

川の上流部ではよく見れる生き物ですので探してみて下さい。

 

飼育スタッフ 山﨑

2020年03月19日

カエル水槽完成

 

以前紹介した展示両生類の新しいレイアウトが完成しました。

まず、ヤマアカガエル水槽には、土台を加工して小さな水の流れを作っています。

アズマヒキガエル水槽にはコケが生えた倒木を入れたので、隠れ家に使ってほしいところです。

またどちらの水槽も給水の配管を石で隠して目立たなくしています。

 

さて、当のカエル達はというと、広い水槽に戻るや否や、居心地の良い場所を見つけ穴を掘っています。

ヤマアカガエル
アズマヒキガエル

 

まったく可愛い子たちです。

 

飼育スタッフ 古根川

2020年03月17日

飼育スタッフの「調査・研究」

日々、生き物のお世話をしている飼育スタッフですが、仕事の中には「調査・研究」というものがあります。

野外に出てどのような生き物がいるかを調査したり、

飼育が難しいと言われている生き物の飼育方法を考えたりと様々です。

 

これは普段から生き物と関わっている飼育スタッフの仕事の中でも大事な仕事のひとつです。

以前からお伝えしている「淡水2枚貝の成長及び長期飼育」も現在研究しているうちのひとつです。

 

写真のように貝1匹ずつに数字を書き、区別をして重量と殻長(貝の長さ)を定期的に測っています。

数字を書くことを「ナンバリング」と言います。

集めたデータをもとに餌の種類や餌の上げ方などを変えて長期飼育を目指しています。

重量を測る様子。
殻長を測る様子。

 

現在の所あまり成果は出ていませんが、今後も試行錯誤しながら研究を進めたいと思っています。

飼育スタッフ鷲雄