2020年02月11日

ミヤイリガイ展示開始の裏には

「ミヤイリガイと地方病~7ミリの小さな巻貝と115年の長い歴史~」の展示が始まって1週間が経ちました。

テレビや新聞などでも取り上げていただき、少しずつミヤイリガイを見に来たという方が増えてきました。

ミヤイリガイのパネルは縦横それぞれ2メートルほどあり、水族館の2階のフロアに行けばどこからでも見えるような大きさです。

意外と大きいんです

実は、このパネルを貼り付けている骨組みの部分は私たち飼育スタッフが1から製作しました。

水槽台を設計図から作るのは水族館1階にある両生類水槽を作ったとき以来なので、4年ぶりです。

大きな木材を組み合わせながら作っていくので、

ヤイリガイ専用の部屋を作っているような感じで楽しく作業することができました。

木材をたくさん使ってます

 

また、パネルの内容も自分たちで作成しました。

パネルを作成するにあたって、莫大な量の情報をわかりやすく正確に伝える。という事を考えながら作りました。

今まで作ったことがない大きさのパネルだったので、どうすれば見やすいパネルの配置になるか、

読みやすい文字サイズはどれか、写真の大きさはどれくらいかなど、何回も調整しました。

ミヤイリガイの生体だけではなく、パネルにも注目していただければ嬉しいです。

ミヤイリガイ

飼育スタッフ 西中

2020年02月10日

とっても冷たい植物

2月に入り、忍野村では深夜の気温が‐5℃の日が当たり前になりつつあります。

その為、水族館のあちこちで氷が張っていたり、

屋根から大きな氷柱がぶら下がっていたりしています。

今回は、その中でも私が特に気に入っている氷の造形物をご紹介します。

水族館1階のエレベーター横に滝が流れている場所があるのですが、

滝つぼの周りをよく見てみると、まるで植物のような氷の造形物が出来ているのです。

エレベーター横の滝
氷の植物?!

水しぶきが毎晩凍ることでこの様な不思議な形が作られます。

美しい…!

とても幻想的な氷の世界が広がっているところが私のお気に入りポイントです。

飼育スタッフ 一見

2020年02月09日

飼育スタッフに聞いてみた②

水族館の2階には、飼育スタッフに聞きたいことを自由に書ける質問シートが机の上に置いてあります。

今回も、ちょっと変わった面白い質問が届いたのでご紹介します。

それは、「人魚はどこにいるの?」という質問です。

前回の魚人に続き、今回は人魚についての質問が来たので思わず笑ってしまいました。

ちなみに、上半身が魚で下半身が人間だと“魚人(ぎょじん)”と呼ばれ、

反対に上半身が人間で下半身が魚だと“人魚(にんぎょ)”と呼ばれます。

どちらも魚と人の半魚人なのに、呼び方でイメージが変わるのが面白いですね。

今回の質問シートは、2階の掲示板に掲示しています。

水族館2階、パソコン横の掲示板

回答が気になる方はぜひ掲示板をチェックしてみて下さい。

マナティとリュウグウノツカイを描いた真相とは…?!

飼育スタッフ 一見

2020年02月08日

いろいろないろ

 

先日、館内の見回りをしていると、両生類水槽でアマガエルが2匹並んでいたので思わず写真を撮ってしまいました。

アマガエルは棲む場所によって体色を変化させると言われていますが、

なぜかこの2匹は同じ場所にいるのに違う体色をしていたからです。

上から見るとよく分かります

このように同じ種類でも体色が違う生き物はたくさんいます。

こちらはタゴガエルです。

写真では分かりづらいですが、赤みの濃さが違います。

こういった個体の特徴を見分けることが出来ると観察がより楽しくなるので、皆様も一度試してみてはいかがでしょうか。

 

飼育スタッフ 古根川

2020年02月06日

淡水2枚貝の長期飼育を目指して

水族館1階水草水槽の底を見てみると、大きな貝が半分埋まっているのが観察できます。

これは「イシガイ」と「ドブガイ」という淡水二枚貝の仲間です。

半分埋まっている。
ドブガイの様子。

流れの緩やかな川やため池などに住み、水中の植物プランクトンをエサにして生活をしています。

また、タナゴの仲間がこれらの貝の中に卵を産み付け、稚魚になるまでゆりかごのような役割をしていることでも有名です。

 

しかし、エサの量や水質などの問題により長期飼育が難しいと言われています。

 

水族館でも何度か飼育に挑戦しましたが、どれもうまくいきませんでした。

今回は前回の反省も踏まえつつ長期飼育を目指して頑張ります。

 

二枚貝の様子はブログでも随時報告していきたいと思います。

 

飼育スタッフ 鷲雄

2020年02月04日

アフリカンマッドスキッパー

人類ははるか昔に魚から進化して陸上を歩くようになりましたが、

実は陸上を歩ける魚も存在します。

 

企画展「いろんな国大集合!アクアリウムスポーツフェスティバル」で展示している「アフリカンマッドスキッパー」もその一種です。

 

干潟などに生息していて、両方の胸ビレを足の代わりに使って陸の上を歩くことができます。

陸に上がっている様子。

また、水槽の中から飛び出してしまうほどジャンプ力が高く、飛び出さないように注意しながらエサをあげています。

 

水族館のアフリカンマッドスキッパーは石の上でまったりしていることが多く、

とても可愛いらしいので是非ご覧ください。

半身浴中。

 

飼育スタッフ 鷲雄

2020年02月03日

新展示「ミヤイリガイと地方病」

本日2月3日(月)から新常設展示「ミヤイリガイと地方病~7ミリの小さな巻貝と115年の長い歴史~」が始まりました。

展示風景

展示のメインとなる「ミヤイリガイ」は100年以上もの間、

山梨県を中心に地域住民を苦しめてきた地方病(日本住血吸虫症)の原因となった日本住血吸虫。

その中間宿主として、ミヤイリガイは病気のとても重要な立ち位置にいました。

ミヤイリガイ

日本各地の地方病撲滅運動によって大きく数を減らし、

現在では環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅰ類に指定されています。

 

病気の完全撲滅に至る山梨県民の奮闘の歴史を後世に伝えるため、

地方病の歴史紹介と、日本初となるミヤイリガイ生体の常設展示を行っています。

是非この機会に、この小さな巻貝とその長い闘いの歴史について学んでいただければと思います。

水槽の様子
カワニナと比較展示をしています。

*この展示を始めるにあたり、昭和町風土伝承館杉浦醫院の皆様、山梨県立博物館の皆様、

滋賀県立琵琶湖博物館の松田様から写真や資料提供のご協力をいただきました。

この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

山梨県唯一の水族館としてミヤイリガイと歴史を伝えていきます。

飼育スタッフ 西中

2020年02月02日

今日のアカハライモリ

腹部が派手な赤色をしているアカハライモリですが、この時期普段よりも派手な体色になります。

水族館の両生類コーナーにいるアカハライモリの中に、青い尻尾をもつ個体を発見しました。

派手な色のアカハライモリ

この色は、繁殖期の近いオスがメスにアピールする為に見せる“婚姻色”と言います。

頬の婚姻色
尻尾の婚姻色

湧水を使っている水族館での繁殖期は2月~4月なので、もしかしたらアカハライモリの求愛行動が見られるかもしれません。

オスが青い尻尾を折り曲げてメスにヒラヒラ見せつけていたら、求愛の証拠です。

メス(左)、オス(右)

気になってこれから先、彼らの水槽から目が離せません!

飼育スタッフ 一見

2020年02月01日

アーチェリー代表

現在、水族館では企画展「いろんな国大集合!アクアリウムスポーツフェスティバル」を開催中で、

2階企画水槽ではいろいろなスポーツにちなんだ生き物を展示しています。

 

今回はその中から「ゼブラアーチャーフィッシュ」をご紹介します。・

 

日本では「テッポウウオ」という名前でよく知られ、

口から水鉄砲を飛ばして水上にいる昆虫を打ち落として食べることからこのような名前がつけられました。

英名の「アーチャー」も「弓矢を使う人」という意味があり、彼らのそういった特徴から名前がつけられています。

 

なので今回は彼らをアーチェリー代表として選出しました。

 

今はまだ水鉄砲を飛ばしてくれませんが、彼らの今後の活躍に乞うご期待ください。

水鉄砲はいつ見せてくれるのか。

 

飼育スタッフ 鷲雄

2020年01月31日

ビオトープの変化 Part6

夏にキショウブなどが生い茂っていたビオトープですが、

冬は当然のように枯れてしまいます。

そんな中でも、ミナミメダカは悠々と泳いでいます。

 

たくさんの群れで泳ぐ姿や

水面付近をすいすいと泳ぐ姿にとても心癒されます。

 

勢いよくビオトープを覗いてしまうと驚いて石の下や植物の根に隠れてしまうので、

ミナミメダカを探す時はゆっくりと覗くようにしてください。

 

ビオトープの直ぐ近くにはベンチもあるので、

座ってゆっくりお楽しみいただけます。

 

 

飼育スタッフ 山﨑