2016年11月14日

貝の中の秘密

現在水族館1階にはタナゴの仲間を計9種類展示しています。

以前のブログでご紹介した通り、二枚貝の中に卵を産む少し変わった生態を持つ魚ですが、
実は人の手で直接卵を搾り出す人工授精という方法もあります。

 

受精直後の卵は黄色い卵型をしていますが、受精後5日もすると孵化します。
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孵化直後は、卵黄に尾びれが生えた黄色いオタマジャクシの様な姿をしていて、まだ眼も口もありませんが、実はこの状態でも機敏に動き回ることが出来ます。
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この状態から更に数週間経つと、眼が出来て徐々に魚らしい姿に変わっていきます。

 

本来は貝の中にあって見ることが出来ないものですが、実はこんな風に成長していくのです。
飼育スタッフ 羽生

2016年11月08日

人気者のウナギ

水族館1階企画水槽では11月2日(水)から
「企画展 みんなの人気者」を開催中です。
人気者現場
ここでは、「見たいです」「いないですか」
「どこにいますか」と言われることの多い生き物や
過去に展示をして好評だった生き物などを展示しています。
その中でも、今回はこのウナギに注目。
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以前ブログでもご紹介しました西湖からやってきたウナギ
なのですが、私の腕より太く長く、ものすごい貫禄があります。
中流水槽にいる馴染みあるサイズのウナギと見比べて
みてみると、より一層大きく感じます。
中流ウナギ
 本当にウナギなのかと疑われたり、時には気持ち悪がられることも。
この迫力は実際に体感しないとわかりません。
それにしても
このウナギで、いったい何杯のうな重が作れるのだろう。
飼育スタッフ 亀井

2016年11月05日

マミズクラゲのエサ

11月に入り、寒さもより一層厳しくなってきました。

マミズクラゲの展示を始めてもうすぐで4か月になります。
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 最近、「マミズクラゲは何を食べているの」と聞かれた事がありました。
マミズクラゲは、水面まで触手を縮めた状態で泳ぎ、沈んでいく途中で最大限に触手を伸ばします。触手にふれたワムシやミジンコなどの動物性プランクトンを、触手に付いている刺胞を使い捕まえて食べます。

水族館では、エサになるプランクトンも梅酒用の瓶を使って飼育しています。
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 産まれたてのマミズクラゲもエサを沢山食べて成長中です。

飼育スタッフ 西中

2016年11月02日

二本立て

10月最強クラスの寒波で富士山も雪化粧が濃くなってきました。
富士
そんな寒波の中、水族館は熱気ムンムン、
スタッフ総出で展示の総入れ替えです。
プレゼンテーション1

 今回の展示は「貝の仲間たち」と「みんなの人気者」の二本立てですので、
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是非ご覧ください。

飼育スタッフ 加藤

2016年10月29日

落ち葉とエビ

10月も下旬。今年も落ち葉が大変なことになっています。
掃いても掃いてもすぐ溜まってしまいます。

この時期は落ち葉に因んでお客様から、
よく「
外池に落ちた落ち葉の処理はどうしているのか?」と聞かれます。
実は外の池の落ち葉は小さいエビ「ヨコエビ」が食べてくれます。
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事実外池の落ち葉は毎年春手前には綺麗になくなっています。
その「ヨコエビ」をチョウザメやニジマスが食べ、
その糞や有機物を「ヨコエビ」や微生物が食べてと
食物連鎖のサイクルが外池では出来上がってい
ます。
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因みに「ヨコエビ」
は繁殖力が強いので環境が変わらない限りいなくなることはありません。
水族館にお越しの際は興味がある生き物の生息環境について考えることも面白いと思います。

                         水族館  伊藤

2016年10月25日

防災訓練

水族館の周りでは、すっかり葉も落ちてきて、木々も寒々しい姿になってきました。

さて、水族館では色々な生き物を飼育するために、ヒーターなどの様々な電気製品を
使用しています。
そのため、地震などの災害によって、漏電事故やそれに伴う火災が起こらないとは
限りません。

そこで、職員は1年に2回防災訓練を実施して、不測の事態に備えています。
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訓練内容は、お客様を安全に誘導する練習や、消火器を使った初期消火訓練などなど。
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これからも、水族館にお越しになる皆様の安全を確保出来るように努めていきます。

飼育スタッフ羽生

2016年10月21日

天秤とサソリ

現在、水族館1階入口エントランスホールにあるマンスリー水槽では、
10月の誕生星座であるてんびん座とさそり座にかけて、
天秤と「ダイオウサソリ」を展示中です。
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昔の人たちは太陽や月、惑星の位置で大事なことを占っていました。
「○○座生まれ」というのは、生まれたときに太陽がどの星座のところに
いたのかを表わすため、実は“夜”にその星座を見ることは出来ません。
たとえば10月生まれの人が当てはまる「てんびん座」と「さそり座」も、
夜空で見られるのは、誕生日の3,4ヵ月前くらいなんだそうですよ。
でも正しくは、星座早見盤などで確認してくださいね。

今日の空はちょっと雲が多いけれど、たまにはゆっくり
夜空を見上げてみようかなと思います。
見られるかもしれないオリオン座流星群に期待をこめて。

飼育スタッフ 亀井

2016年10月17日

アズマヒキガエルの脱皮

いよいよ秋が深まって、朝晩の冷え込みが強くなってきました。

今日の朝、いつものように館内の水槽を確認していると、両生類コーナーに展示しているアズマヒキガエルがなにやら怪しい動きをしていました。
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 何事かと思って、よく見てみると、なんと脱皮の途中でした。
カエルやサンショウウオなどの両生類は、足や手、口を上手に使って脱皮をします。
また、驚くことに脱皮した皮は自分で食べてしまいます。
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カエルの脱皮はなかなか見られる機会が少ないので、朝から嬉しい気持ちになりました。

飼育スタッフ 西中

2016年10月13日

採卵


秋と言えば紅葉ですが、ニジマスやヤマメ、カワマスなどの
サケ科の魚達にとっては恋の季節になります。
当館の水槽内でもよく卵を産みますが、
水槽内だと他の魚達に卵が食べられてしまうので、
一度水槽から取り出して人の手で卵を産ませて孵化させます。
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およそ1ヶ月で孵化するのでひと月後が楽しみです。

飼育スタッフ 加藤

2016年10月05日

産卵の季節

残暑も陰りを見せ、食欲の秋や実りの秋などの過ごしやすい季節になってきました。

そんな色々な秋の中でも、ゼニタナゴというタナゴの仲間にとっては「産卵の秋」です。

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タナゴの仲間は、産卵管と呼ばれる長い管を持っていて、それを使って二枚貝の中に卵を
産み付ける特徴があります。
卵は、貝の中で孵化,成長して、泳げるようになると貝の中から稚魚が出てきます。

多くのタナゴの仲間が約1ヶ月なのに対して、ゼニタナゴは秋に生まれてから冬の間貝の中で
過ごします。

春頃には泳げるようになった稚魚が貝から出てくるので、産卵から約半年間近くも時間の
かかる種類の1つです。

その半年間、貝を元気に飼育しつつ、水温の管理などもしっかりやらなければ稚魚たちは
出てきません。

そのため、これからの半年間は私たちにとっても気の抜けない時期です。

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親たちには、たくさん産卵してもらい、来年の春には元気な子供たちが出てくるのが今から
楽しみです。

飼育スタッフ 羽生